愛に恋

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ムーンライト・セレナーデ

「ムーンライト・セレナーデ」 今後の世界情勢は本当に目が離せない

現在、こうしている間もウクライナやガザで人が死んでいる。ガザでは33000人のパレスチナ人、イスラエル兵も1200人ほど死んでいる。ましてや独ソ戦の悲惨さは筆舌に尽くしがたい。レニングラード包囲戦では、たったひと冬で100万人以上の市民が餓死、凍死し…

「ムーンライト・セレナーデ」 日本の新生に先駆けて散る。

戦艦大和出陣の夜、つまり79年前の昨夜だ。最後の酒宴を行っていた海兵出身の若手士官と学徒出身の若手予備士官との間で、菊水作戦の意義に付いて激しく論争となった。「戦死する事は軍人としての誇りである」と主張する海兵出身者と「無駄死にである。死ぬ…

「ムーンライト・セレナーデ」 至福の微糖

歴史家はたくさんのピースが欠けたジグソーパズルをやっていて、埋まらない部分はどこかから探し出せない限り放置しておかなければならない。小説家は埋まらない部分を自分で思い描いたピースで自由に埋めることができる。歴史家はひたすら失われたピースを…

「ムーンライト・セレナーデ」 教育勅語

日本国民たるものは「父に孝に兄弟に友に夫婦相和して朋友相信じ恭倹己をれを持し博愛衆に及ぼして学を修め業を習い以て知能を啓発し徳器を成就」しなければならないと1890年10月30日に公布された教育勅語にはある。教育勅語を全面的に礼賛するわけではない…

「ムーンライト・セレナーデ」 ショウヘイ・オオタニ

世界的に名の知られた歴史的有名人と言われれば誰か。日本人では先ず東郷元帥、山本五十六、黒澤明、三船敏郎、小澤征爾が思い浮かぶ。文化勲章者や国民栄誉賞受賞者だけでは世界的とは言わない。アメリカにはキリがないほど存在する。フランシス・コッポラ…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です 福島安正少佐

ポーランドに初めて訪れた日本人は、福島安正少佐だが記録を見ると、明治25年2月、ベルリンからウラジオストクまでを単騎馬で横断する途中ポーランドを通過した。帰国に際し、冒険旅行という口実でシベリア単騎行を行い、ポーランドからロシアのペテルブルク…

「ムーンライト・セレナーデ」 人はその人を知る人がいる限り生き続ける

私の祖父を知る人は今の世にひとりしかいなくなった。年の離れた従姉である。私の父を知る人は、私以外では3人しかいない。年上の従姉2人と年下の従妹ひとりである。祖父の生きた明治、大正、昭和。父の生きた大正、昭和。そして私が生きる昭和、平成、令和…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 久しぶりの入院だ、楽しみにしているよ

今週は病院週間といっていい。今日は午前にリハビリ科(腰の牽引)、夕方から歯医者。火曜日は消化器外科とリハビリ科(薬)、水曜日は内科、木曜日はリハビリ科(注射)、まったくやってられない。それに加えなぜか今日から腰が痛い。まるでぎっくり腰のよ…

「ムーンライト・セレナーデ」 正三位参議中務卿中衛兼大将・藤原房前卿が家令、猪名部諸男

澤田瞳子の火定(かじょう)という本を読んでいる。私、いくら歴史好きと雖も古代から平安期までのものは殆ど読まない。理由は簡単だ、まず、漢字が難しいく読めない。名前、地名など現在では使われない用語などが殆どで、いちいちルビを振ってないと読めな…

「ムーンライト・セレナーデ」 下山事件

今となっては時効だから書くが、昭和12年7月7日、日中間の全面戦争の引き金になった盧溝橋事件が起きた。その翌月、上海在住だった我が父は軍に徴用され現地の特務機関で働くことになる。これは本人の証言と引き揚げ後の資料により明らかなのだが、問題はそ…

「ムーンライト・セレナーデ」 陶工

鹿児島に東郷という名が多いということは知っているだろうか。有名なところでは東郷平八郎、東郷青児、東郷茂徳などはみな薩摩人だ。この東郷という名には謂れがある、秀吉の朝鮮出兵の時に李朝の陶磁器など、白磁の素晴らしさを発見した武将たちが、日本に…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 『厄払い』

私みたいな凡夫には苦手な職業が多すぎると密かに思っている。取り合えず絶対できないと思うものは二つほど挙げてみろと言われれば、先ず声優と噺家だ。滑舌の悪い私には不向きというか逆立ちしても無理な仕事だ。そういう意味ではアナウンサーもダメだろう…

「ムーンライト・セレナーデ」 欣喜措く能はず

過ぎし世に降る雪には 必ず三味線の音色が伝えるような 哀愁と哀憐とが感じられた。永井荷風。 荷風の『断腸亭日乗』は将来、間違いなく国宝に指定されるだろう。 そのぐらい日記文学の傑作だと思う。 美文、名文の誉高く、終戦の日、谷崎潤一郎夫妻と別れ汽…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 時が、熱狂と、偏見をやわらげた暁には

歴史というのは、時が、熱狂と、偏見をやわらげた暁には、また理性が、虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には、そのときこそ、正義の女神はその秤を平衡に保ちながら過去の賞罰の多くに、その所を変えることを要求するであろう。どのような歴史も勝てば官軍だ…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 11時50年分かのほんの5,6分の歴史

私たち人類発生の歴史は、地球の誕生から今日までを一年とすると、なんと大晦日、12月31日の紅白歌合戦も済んで寺の鐘が鳴り始める11時50年分かのほんの5,6分の歴史でしかない。人生の道、あまりに遠し。何ていうが、たった5,6分の話だ。しかもその5分か6…

「ムーンライト・セレナーデ」 日米修好通商条約

幕末の動乱は旧来のやりかたを踏襲すれば済んだのに、なまじっか天皇・朝廷側の同意を得たうえで日米修好通商条約に調印しようとしたあまり、日本国の土台が大いに揺らぐことになる。いずれにせよ、それまでは、なんだかんだといっても、良好であった幕府と…

「ムーンライト・セレナーデ」 わが可能な限りにおいて

初期フランドル派の画家、ヤン・ファン・エイクといえば15世紀の北ヨーロッパ でもっとも重要な画家の一人と見なされているが、彼の作品に『赤いターバンの男』という絵があるが、額縁を見ると「ALSICH KANN」と署名に刻まれている。これは「わが可能な限り…

「ムーンライト・セレナーデ」 艦船職員服務規程

昭和20年4月7日正午過ぎ、戦艦大和が初めて米軍機と接触した。ここに壮絶な大和最後の決戦が繰り広げられる。決戦空しく、部下から「注排水指揮所も破壊し、傾斜復元の手段は尽きました。総員を最上甲板に上げてください」、と有賀艦長に報告され、有賀艦長…

「ムーンライト・セレナーデ」 五稜郭

実は私、北海道に行ったことがない。一度、五稜郭に行ってみたかったがもう無理な話になってしまった。幕末、旧幕府軍を率いた榎本武揚はここに独立政府を樹立。共和国宣言をした。併し、薩摩の黒田清隆率いる政府軍が明治2年5月、五稜郭を攻め榎本軍は降伏…

「ムーンライト・セレナーデ」 人間に対する観察力

作家というのは作品や日記や書翰のすべてにわたり一行一字も見のがさぬ注意ををもって見ても、一人の作家がそこに生活や思想のすべてを告白しているとは信じがたい。作家はその作品に於てまったく架空の観念の所産も、現実以上のリアリティを持ったものとし…

「ムーンライト・セレナーデ」 ロココ様式

18世紀初頭、ヨーロッパ各地でバロックが隆盛を極めていた時代に、フランスの宮廷でバロックとは異なる新しい美術様式が生まれた。それがロココ様式である。ロココの特徴は軽快で明るく洗練されており、しかも官能的な点にあり、フワフワしたエロスという表…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。「お染風」

『半七捕り物長』の作者、岡本綺堂が若い頃の東京は、まだ江戸の情緒が残っていた。インフルエンザが猛威を振るった明治23年から翌年にかけて、江戸時代に流行った「お染風」の呼び方が復活する。歌舞伎や浄瑠璃の演目「お染久松」で、お染が久松に惚れる場…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 映画はアリスから始まった

大きなキャベツから赤ちゃんが生まれる「キャベツ畑の妖精」郵便局で切手を何十枚もなめた女性が、キスした相手と口がくっていてしまう「べとつく女」120年ほど前に撮られたこれらの短編映画は、いま見ても面白いらしい。発想が斬新でユーモアと風刺が利いて…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 田村俊子の『絵島生島』

「こういう饐(すえ)臭いどろどろの情火をエロティックな筆で描きあげたこの一篇は、全体に無気力な退廃な気がただよっている。メタンガスがぷくぷく浮く真黒な堀川の水に、漂い流されていく古下駄のようなみじめな女の生活が、突っ放して書かれているのに…

「ムーンライト・セレナーデ」 反対なし。自由なし。選択肢なし

【ベルリン時事】「ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領)の地滑り的な勝利を祝福したい」。 欧州連合(EU)のミシェル大統領は15日、同日投票が始まったロシア大統領選について、X(旧ツイッター)に投稿し、早くも「祝意」を表明した。開票は17日だが、…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 亀戸事件

「ならし野に送り保護する事なれり」という記事は、気になる。千葉県内で軍隊がおこなった朝鮮人虐殺のほとんどが習志野聯隊によるもので、平沢計七ら社会主義者を殺害したのも同聯隊であったからである。9月2日の真夜中から5日にかけて、習志野周辺で朝鮮人…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。『ウルビーノのヴィーナス』

マネはティッツァーノの『ウルビーノのヴィーナス』からあえてヴィーナスの象徴を取り除き、パリの娼婦を描き、それが観衆の逆鱗に触れた。なぜマネはこのような絵を描いたのか。それは、パリの闇の姿を描き出そうとしたからだと考えられている。当時のパリ…

「ムーンライト・セレナーデ」 御法度の裏街道を歩く渡世なんだ

「俺たちやくざは、御法度の裏街道を歩く渡世なんだ。いわば天下の嫌われもんだ。それだけにな、何事も渡世の筋道を通さなくちゃいけないんだ」と座頭市も言っている。しかしどうだ、座頭市さえ筋道を通して裏街道を歩いているのに、表街道を堂々と歩く身の…

「ムーンライト・セレナーデ」 十二代目片岡仁左衛門一家5人が殺害事件

昭和21年3月16日、渋谷区千駄ヶ谷で歌舞伎役者・十二代目片岡仁左衛門一家5人が殺害されているのが見つかる。殺されたのは、片岡仁左衛門(当時65歳)、その妻で元日活女優の小町とし子(当時26歳)、四男(当時2歳)、女中2人(当時12歳と当時69歳)。5人と…

「ムーンライト・セレナーデ」 宗坊はいますか、宗坊はいますか

大杉栄の妹あやめは、薄倖の人であった。アメリカのオレゴン州ポートランドで農業を営む橘宗三郎と結婚して宗一を生んだが、胸を病み、そのこともあってか夫婦仲が冷たくなったため、養生かたがた宗一と共に帰国し、静岡の姉婿、柴田勝蔵の世話で静岡病院に…