西村賢太
彼の本を読んでいて不思議に思うことがある。中卒、不登校、家庭内暴力、学歴がないのをコンプレックスと自ら頭が悪いといいつつ、芥川賞作家になれるものなのだろうか。いや、学歴詐称などと言っているのではない。それらの悩みを解消し小説家になるには、…
私の知人女性に西村賢太の大ファンがいるが、藤澤清造没後弟子と自任している私小説作家のこの人の本を読むのは2冊目。女性が彼のファンになる心理がどうも解らないのだが、私から見ると自堕落な生活で酒浸り、性欲のかたまり、風俗嬢に90万貢いで騙される。…
友もなく、女もなく、一杯のコップ酒を心の慰めに、その日暮らしの港湾労働で生計を立てている十九歳の貫太。或る日彼の生活に変化が訪れたが。こんな生活とも云えぬような生活は、一体いつまで続くのであろうか―。昭和の終わりの青春に渦巻く孤独と窮乏、労…