愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

ムーンライト・セレナーデ

「ムーンライト・セレナーデ」 SMの女王 谷ナオミ

団 鬼六といえばSMものなどの官能小説の第一人者として著名であるが、私自身は名前こそ著名であるから知ってはいたが、著書は読んだことがない。もっとも作品はSM雑誌に載っていたと思うので、その手に雑誌を買ったことがない。併し、私のよく知る大阪十三の…

「ムーンライト・セレナーデ」 「あまり肩の凝るようなものは読まない」

私のカフェ友の4人はいずれも本を読むのを一種の趣味にしているが、併し、私とは大いに異なる点がある。4人全員が口を揃えて「あまり肩の凝るようなものは読まない」と仰る。彼ら4人はいずれも年上で男3人女1人。先ず男2人は必ず時代小説しか読まない。今1…

「ムーンライト・セレナーデ」 「天皇機関説」

東京名誉大学教授が唱えた学説の「天皇機関説」という言葉を聞いたことがあるだろうか。二・二六事件前、この言葉が大問題になっていた。その手の本を読むたびに繰り返し出て来るこの単語を未だによく理解できない。つまり「天皇は国家統治の主権者ではなく…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 老境の習い

カフェで本を読んでいると、中年女性や老婆の聞きたくもない話が耳に入って来るものである。自身の病や孤独の身の上をこぼすのが老境の習いであるが、なかにはとめどなく愚痴に類することも多くなる場合もある。併し、そのぐらいならまだよい。行きつけの店…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 ブレイクニー弁護人

東京裁判の時、日本人被告のために弁護を引き受けたアメリカ人弁護士がいたのを知っているだろうか。ブレイクニー弁護人である。彼は国家利益のために行う戦争を、交際法ではこれまで非合法とみなしたことはない。「平和に対する罪」と名づけられた訴因は、…

「ムーンライト・セレナーデ」 たたみこまれた風景

私の中に、たたみこまれた風景のすべては、まだその当時のままの輝きを持っている。その中では何十年も前の級友が、中学生のままの顔で登場する。懐かしき友たち。思い出すごとに胸を熱くする過ぎた日の数々。みな元気にしているだろうか。さよならも言わず…

「ムーンライト・セレナーデ」 マリー=ローズ・ヴァエホ

ゴーギャン53歳になったころ、マルキーズ諸島のヒヴァ=オア島へ移住を決行。新天地で息を吹き返した彼は、人生最後のヴァヒネ(ポリネシア語で女性)を見つける。マリー=ローズ・ヴァエホ。修道院付属学校に通う美しい14歳、フランス語もそれなりに話せる…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 ドイツ皇帝ウィルヘルム二世

イスラエルが19日、イランに対する攻撃に踏み切ったと、複数のアメリカメディアが報じた。第一次世界大戦のときドイツ皇帝ウィルヘルム二世は、戦争の初期に、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフに宛てて、次のような旨を述べた書簡を送ったと称せられてい…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 現人神と処女懐胎

新天皇というのは理論上は先帝がが崩御された瞬間に天皇となるが、法律上は即位の儀を経て天皇となり、即位の礼で国内外に宣言する。宗教的には三種の神器を継承した時点で天皇となるが、霊的に現人神になるのは大嘗祭を経てからになる。現代では天皇が現人…

「ムーンライト・セレナーデ」 ゴーギャンとゴッホ

ゴーギャンとゴッホはまるっきり正反対のように見えて、実は共通点も少なくなかった。二人ともアカデミックな教育を受けていない。画家を目指したのが20代後半。絵を描くことへの強い執着。エキゾチシズム、放浪癖など表面的な相違は多々あるものの根源的な…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 梨本宮伊都子妃の日記

今般、皇族減少に関して与野党で議論あり、臣籍降下した旧皇族の復帰、女性皇族の結婚後も皇族として残る等の議案が出されたようだが、梨本宮伊都子妃の日記を読むに、「昭和21年11月29日、天皇陛下出御、一堂に対し、此の時局に関し申しにくき事なれど、私…

「ムーンライト・セレナーデ」 人生の浪費者と人生の所得者

世には二種類の人間がある。一方の種属の者は、いつもムダな死金を使い、時間を空費し、無益に勢力を消耗して、人生を虚妄の悔恨に終わってしまう。彼らは「人生の浪費者」である。反対に他の者は、物質上にも精神上にも、巧みにそれの最高能率を利用して、…

「ムーンライト・セレナーデ」 『豆食べる男』

1580年代前半といえばバロック全盛の時代であり、宗教画、神話画、歴史画ばかりが描かれていたころで、描かれる人物も神々や王侯貴族、高位の聖職者や大商人といった著名人ばかりであった。また、当時は絵画に何かしら意図を込めるのが当然とされていた。そ…

「ムーンライト・セレナーデ」 ギャンブル依存症

水原一平氏はギャンブル依存症の治療を望んでいるとか。そうした方がいい。実は私もギャンブル依存症だったことがある。あまり覚えていないが、だいたい20年から25年ぐらいの期間だったか。喫煙もかなりのヘビースモーカーで、これははっきり覚えている。25…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 人を探しています

人を探しています人を探しています年は はたち背は 中ぐらいまだ生まれた時のまんまのうすももいろの膝小僧 鹿の瞳ひとみふくらんだ胸ひとかかえのつつじ色の愛陽だけをいっぱい入れた籠ひとつ頭に載せて或る日 黙ったまま 家を出ていきました誰かごらんにな…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 フェルメールの作品は、わずか30数点

フェルメールの作品は、わずか30数点しか現存していない。知名度のわりには極めて寡作の画家といえるだろう。彼の作品のジャンルは宗教画や神話画、風景画、そして風俗画などに分けられるがそれらをよく見ると画中にたびたび登場するアイテムに気づく。そ…

「ムーンライト・セレナーデ」 うん、運のつきってぇ奴さ

例の大麻の件で勝新太郎がハワイから戻り小菅の拘置所に入れられた時のことを勝はこう語っている。「今までの自分を自分で見て、その自分のいい所を出す場所さ。まぁ、あんないい所はないな。ただ、部屋の鍵を外から掛けるてぇのが、ちょっと気になったけど…

「ムーンライト・セレナーデ」 タヒチのゴーギャン

以前、ゴーギャンを嫌っていた彼女がいた。つまりは作品云々というより彼の人間性を問題視していたようだ。ロリータ趣味で、初めての現地妻が13歳のテフラ、その後妊娠したが死産だった。日本でいうなら中学1年ではないか。併しこの次期に瑞々しい作品を残し…

「ムーンライト・セレナーデ」 今後の世界情勢は本当に目が離せない

現在、こうしている間もウクライナやガザで人が死んでいる。ガザでは33000人のパレスチナ人、イスラエル兵も1200人ほど死んでいる。ましてや独ソ戦の悲惨さは筆舌に尽くしがたい。レニングラード包囲戦では、たったひと冬で100万人以上の市民が餓死、凍死し…

「ムーンライト・セレナーデ」 日本の新生に先駆けて散る。

戦艦大和出陣の夜、つまり79年前の昨夜だ。最後の酒宴を行っていた海兵出身の若手士官と学徒出身の若手予備士官との間で、菊水作戦の意義に付いて激しく論争となった。「戦死する事は軍人としての誇りである」と主張する海兵出身者と「無駄死にである。死ぬ…

「ムーンライト・セレナーデ」 至福の微糖

歴史家はたくさんのピースが欠けたジグソーパズルをやっていて、埋まらない部分はどこかから探し出せない限り放置しておかなければならない。小説家は埋まらない部分を自分で思い描いたピースで自由に埋めることができる。歴史家はひたすら失われたピースを…

「ムーンライト・セレナーデ」 教育勅語

日本国民たるものは「父に孝に兄弟に友に夫婦相和して朋友相信じ恭倹己をれを持し博愛衆に及ぼして学を修め業を習い以て知能を啓発し徳器を成就」しなければならないと1890年10月30日に公布された教育勅語にはある。教育勅語を全面的に礼賛するわけではない…

「ムーンライト・セレナーデ」 ショウヘイ・オオタニ

世界的に名の知られた歴史的有名人と言われれば誰か。日本人では先ず東郷元帥、山本五十六、黒澤明、三船敏郎、小澤征爾が思い浮かぶ。文化勲章者や国民栄誉賞受賞者だけでは世界的とは言わない。アメリカにはキリがないほど存在する。フランシス・コッポラ…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です 福島安正少佐

ポーランドに初めて訪れた日本人は、福島安正少佐だが記録を見ると、明治25年2月、ベルリンからウラジオストクまでを単騎馬で横断する途中ポーランドを通過した。帰国に際し、冒険旅行という口実でシベリア単騎行を行い、ポーランドからロシアのペテルブルク…

「ムーンライト・セレナーデ」 人はその人を知る人がいる限り生き続ける

私の祖父を知る人は今の世にひとりしかいなくなった。年の離れた従姉である。私の父を知る人は、私以外では3人しかいない。年上の従姉2人と年下の従妹ひとりである。祖父の生きた明治、大正、昭和。父の生きた大正、昭和。そして私が生きる昭和、平成、令和…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 久しぶりの入院だ、楽しみにしているよ

今週は病院週間といっていい。今日は午前にリハビリ科(腰の牽引)、夕方から歯医者。火曜日は消化器外科とリハビリ科(薬)、水曜日は内科、木曜日はリハビリ科(注射)、まったくやってられない。それに加えなぜか今日から腰が痛い。まるでぎっくり腰のよ…

「ムーンライト・セレナーデ」 正三位参議中務卿中衛兼大将・藤原房前卿が家令、猪名部諸男

澤田瞳子の火定(かじょう)という本を読んでいる。私、いくら歴史好きと雖も古代から平安期までのものは殆ど読まない。理由は簡単だ、まず、漢字が難しいく読めない。名前、地名など現在では使われない用語などが殆どで、いちいちルビを振ってないと読めな…

「ムーンライト・セレナーデ」 下山事件

今となっては時効だから書くが、昭和12年7月7日、日中間の全面戦争の引き金になった盧溝橋事件が起きた。その翌月、上海在住だった我が父は軍に徴用され現地の特務機関で働くことになる。これは本人の証言と引き揚げ後の資料により明らかなのだが、問題はそ…

「ムーンライト・セレナーデ」 陶工

鹿児島に東郷という名が多いということは知っているだろうか。有名なところでは東郷平八郎、東郷青児、東郷茂徳などはみな薩摩人だ。この東郷という名には謂れがある、秀吉の朝鮮出兵の時に李朝の陶磁器など、白磁の素晴らしさを発見した武将たちが、日本に…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 『厄払い』

私みたいな凡夫には苦手な職業が多すぎると密かに思っている。取り合えず絶対できないと思うものは二つほど挙げてみろと言われれば、先ず声優と噺家だ。滑舌の悪い私には不向きというか逆立ちしても無理な仕事だ。そういう意味ではアナウンサーもダメだろう…