愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 日本の新生に先駆けて散る。

戦艦大和出陣の夜、つまり79年前の昨夜だ。最後の酒宴を行っていた海兵出身の若手士官と学徒出身の若手予備士官との間で、菊水作戦の意義に付いて激しく論争となった。「戦死する事は軍人としての誇りである」と主張する海兵出身者と「無駄死にである。死ぬ事の意義が解らない」と主張する学徒出身者との激論は激しく続き、あわや乱闘寸前となった所を治めたのが臼淵大尉であった。「進歩のない者は決して勝たない 負けて目覚める事が最上の道だ 日本は進歩という事を軽んじ過ぎた 私的な潔癖や徳義に拘って、本当の進歩を忘れてきた 敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか 今目覚めずしていつ救われるか 俺達はその先導になるのだ。 日本の新生に先駆けて散る。まさに本望じゃあないか」素晴らしい答弁だった。そして翌日、「敵襲、全員戦闘配置に付け」海兵側も学徒側も死力を尽くして戦った。美しき日本の若人はこうして散って行った。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。臼淵 磐大尉はこの戦いで戦死しました。21歳でした。おやすみなさい、また明日。