二・二六事件関係
かなり難しい本だった。 血盟団事件、三月事件、十月事件、相沢事件、二・二六事件。 北一輝、西田税と確かに相沢中佐と関係が無いわけではが、事件の性質上やむを得ないとはいえ、根深く本質を捉えようとしているので、どうしても相沢に関わった人たちが書…
戦前の陸大を卒業するには東大以上に難しいと聞いたことがある。 まあ、そりゃそうかも知らない。 東大には軍事を習う必要はないし、精神の鍛練も要らない。 そのエリートが書いた本を、中卒の私が読もうってんだからお話にならない。 それも旧字体で書かれ…
久しぶりの二・二六事件関係の本だが、今年の二月だったか紀伊國屋に行ったおり、出会ってしまったのが運の尽き、これは買わずにいられない。 事件後、初めて書かれたと言ってもいい本格的渡辺錠太郎伝なのだ。 教育総監陸軍大将渡辺錠太郎、事件当日、9歳の…
戦後、二・ニ六事件関係の著書を多く残した作家に河野司という人がいるが、それもそのはず、この人の弟が河野壽大尉で事件首謀者の一人。 当日、部下7名を率い2台の車に分乗、一路、湯河原に向かった。 目指すは伊藤屋旅館の別館に逗留する牧野伸顕前内大臣…
昔、滝沢修さん主演のスペシャル番組『落日燃ゆ』を見たのが弘田弘毅を知るきっかけだった。 番組放映はいつだったか、調べてみると昭和51年とある。 A級戦犯7人のうち、ただ一人文官として処刑された弘田弘毅。二・二六事件後に首班指名された総理大臣で、…
昭和11年7月2日の夕刻であった。連日の酷暑に九段下の内堀から吹き込む涼風に、ホッと一息入れているところへ、代々木の陸軍刑務所長から電話が掛かってきた。 「麹町憲兵分隊の小坂曹長であります」 「私は刑務所長だが、実は相沢中佐が、どうしても、小坂…