ルポルタージュ(読書録)
著者が見つけた、たった数行の死亡記事、警察も探偵もたどり着けなかった真実へ。「名もなき人」の半生を追った、記者たちの執念のルポルタージュだが、これがなかなかミステリー仕立てで面白そうなので買ってみた。2020年4月、兵庫県尼崎市のとあるアパー…
かれこれ40年以上前のことだが、仕事帰りにカーラジオで『小沢昭一的こころ』という番組をよく聴いていた。小沢昭一という人は落語家ではないが、めっぽう話術に長けた人で、何でもないような話を面白く聞かせる天才のような人だった。俳優どころかエッセイ…
むか~し昔、まだ20歳ころだったか、先輩に連れられてストリップを見に行ったことがある。確か二度ほど行ったと思うが、私はできるだけ後ろに座り、真剣な眼差しの客を見ていた。一番前の席に座る客は「がぶりつき」といって、何とか秘部を見ようと顔を斜め…
最高の恋愛は不倫だという説がある。 「救急医療のようなもの」「結婚生活のガス抜き」と言った人もいたが、不倫にガス抜きの側面があることは否定できないであろう。 不倫は日常生活の責任も重荷もなく、生活費の工面や、子供の教育、嫁姑問題もなく、一瞬…
高峰秀子は生前26冊の作品を著しているが、中でも本書は異色のものだろう。 まったく畑違いの職業の女性を12組わたってインタビューしている。 灯台守、美容師、セールスウーマン、サーカスで働く女性、撮影所の裏方さんなど、どんな職業にあっても女性が働…
何ともややこしい本だったが、ある映画の事を思い出した。 2001年のアメリカ映画『ブラックホーク・ダウン』で、監督はリドリー・スコット。 実際にソマリアで起こったモガディシュの戦闘を扱ったもので、敵のアイディード将軍を捉えるために送った部隊が返…
熟年離婚に至った数十人の男女に直接インタビューしたものだが、下世話と言っちゃなんだが、やはり長い年月を連れ添った相手と今さら離婚とあっては気になるのが、これまた人情。 いちいち面白い、例えばこんなの。 「うちの女房は恐いんですよ。私なんか、…
何なに、三重県の何処かの孤島でおおぴらに売春営業をしている島があるとな! 古書店でいきなり目に飛び込んで来た『売春島』、ホントか否(いな)。 帯にはこのように書かれている。 三重県志摩市東部の入り組んだ的矢湾に浮かぶ、人口わずか200人ほどの離…
AVならともかく、私自身、他人のセックスを直に見たことはない。 まず著者は自分自身の体験から書いている。 付き合っている相手、太郎とは6年の間柄でまともなセックスをしたことがない。 女の体をガスコンロか何かだと思っている節がある。乳首とクリト…
東京藝術大学の入試倍率は東大の3倍、私にとっては入りたくとも入れない縁もゆかりもい狭き門。そこに集う若き天才集団の日常に迫るルポルタージュで面白そうなので買ってみた。いったいどんな大学なのか? 理科三類、平成27年度の志願倍率は4・8倍で100の枠…
先ず、この表紙にしてやられた。 上手いデザインだ! バッタを倒しにアフリカへ行く、その訳とは? 行き先はアフリカのモーリタニア、と言っても名前しか知らない。 著者の名前、前野ウルド浩太郎の「ウルド」とはモーリタニアで最高に敬意を払われているミ…
平たく言えば、女性の性的な飢えということになるのだろうか? 結婚後も末永く肉体的コミュニケーションがとれている夫婦には、何ら関係ない本ともいえるが、果たして世にセックスレスで悩んでいる女性はどのぐらい居るのか、これは男女問わず興味のあること…
一読して非常に面白い本だと思ったが、ここまで己の性癖を赤裸々に語られると、何か私としては感想文を書くのに簡単そうで実は難しい。 内容的には、この本一冊で「朝まで討論」でも出来そうなくらい充実したものだが、人生観や恋愛観だけではなく、踏み込み…
公娼制度の廃止は昭和33年3月31日。 明治・大正生まれで、この制度にお世話にならなかった男性はまず、いないと思うがどうだろう。 筆おろしなりなんなりと、通って当然の一般社会が何百年と続いたはずだが、記録によると公娼制度廃止に反対した娼妓たちがい…
売春防止法の施行は昭和33年3月31日なので当然、私は遊郭に登楼したことはない。 昔は色街などと表現したが、その手の遊びをしなかった男なんていたのだろうか? 啄木は言うに及ばず芥川でさえ広津和郎に拠って、その日の事を書かれている。 しかし、宮沢賢…
初見で購入を決意し読んではみたが題材に興味はあるものの、私ならまず書かない内容だ。 ある調査によると、日本では中年童貞と言われる人は209万人も存在するとか。 原因として母親への依存体質が強く精神年齢が異常に低く過保護、過干渉で自立出来ないこと…