愛に恋

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他人のセックスを見ながら考えた 田房永子

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AVならともかく、私自身、他人のセックスを直に見たことはない。

まず著者は自分自身の体験から書いている。

 

付き合っている相手、太郎とは6年の間柄でまともなセックスをしたことがない。

女の体をガスコンロか何かだと思っている節がある。乳首とクリトリスをチョンチョンとはじいてギュッと儀式的にひねれば、ボッと膣に火がつき「挿入OK状態」になるとでも思っているかのようだった。しかも「1往復したら10秒ほど休む」を2セット繰り返しただけで一方的に果てた」

 

とあり、彼氏は「ガスコンロsex」を楽しそうに続けたとある。

著者はなんとか改善してほしいと訴えたそうだが一向に改まる気配がない。

まあ、他人さまのことだから、下手に口出ししないが、結婚するとなるとsexは一生の行事で、概して苦労するのは女性の方が多いようで。

然し、著者の偉いところは女性ライターとして、ありとあらゆる風俗に体験入学とでもいうか、実際に現場にいって店内で何が行われているか、見聞宜しく現地調査しているところで女性としてはなかなか出来ることではない。

 

ある日、こんなことを訊かれたとも。

「一盗二卑三妾四妓五妻」

男が興奮する相手の順位で、一盗は人妻、二卑は使用人、三位は妾、四位は娼婦で最下位が妻ということになる。

芸能人の不倫がバレて大バッシングが起こるが、どうしたわけか「不倫撲滅運動」なるものは起きない。

この世から不倫がなくならないことは、国民周知のとおりで、いずれも脛に傷を持つ身の人も多いことと思う。

著者の見聞は広まるにつれて、面白いことも書かれている。

 

メインのチンポコ手揉みタイムになった。店長を仰向けに寝かせ、人妻さんは棒と球、いわゆる男の野球グッズの全体をゆっくり揉み始めた。店長は「何もしなくても3秒で勃つんで」

 

個人的なことながら、私は風俗に行ったことがない。

いや、実際は若い頃に先輩に連れられ、ストリップに2回行ったが、まったく面白味が解らなかったが、食入るようにみている観客の顔に見惚れていた。

その後と言えば、当時勤めていた会社の社長に誘われて「ノーパン喫茶」に一度行ったが恥ずかしくて女の子を見れず話しばかりしていた。

それが総てで、どうも金を払って時間制で処理するということが苦手で、行く気になれない。

日常では味わえない失神寸前の桃源郷テクニックで、おもてなしされるような店があったとしても、現在ではやはり行かない。

全体をとおして作者の言いたいことはこうなる。

 

私が羨ましかったことは、自分たちの性欲が、存在しているということをなんの遠慮もなく、むしろ「それを見守る女子」という最高のオーディエンスを従えて表現できることである。

 

つまり女子は勝手に見守る側に立たされている不自由さ。

男子の性欲は、あってこそ健全で性のはけ口である専門店もあるが、女性の場合、男子と同年齢でも、性欲があることが健康体とは思われていないという理不尽。

何か好き者のように思われてしまうのは心外だということだろう。

女子に性欲があるのも必然で健全なのだと。

確かに、大いに賛成! 

最後にこうある。

 

女性は出産した後は身体がボロボロなんだから、男はアロマテラピーや超絶クンニ法などを勉強しておけ。