愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 『フランス革命下の一市民の日記』

1793年1月16日、ルイ16世に判決が下された。激怒する民衆の中で、3日間にわたっておこなわれた一連の投票結果は、次のような数字となってあらわれた。投票総数721票。過半数361票。無条件死刑に投票した者361名、反対360票。しかし、執行猶予の条件つき反対の26票を、投票検査人が非常にも361の賛成票に加えたため、賛成387票、反対334票になった。いずれにせよ、賛成361票はすでに必要過半数に達していた。しかしながら、正確にいうとわずか1票が、フィリップ平等公の1票が、この結果を逆転することも十分ありえたのである。それに、多くの議員が、フィリップ平等公と同じようにルイ16世の運命は、とりもなおさず王を裁く我々の運命である」と知って、怯えて投票した。ロスピエールは議員たちに向かって言った。「諸君はひとりの人間の判決を下すのではない。国家の救済策を講じているのだ」ダントンも、皮肉を交えて言った。「我々は国王の裁判なんか望んでいない。国王を殺したいのだ」「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。このことは以前読んだ832頁にも及ぶ『フランス革命下の一市民の日記』に書かれている。たった1票が自分の運命を左右したと当の本人が知っていたか否か分からないが、私なら反対だな。おやすみなさい、また明日。