愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 映画はアリスから始まった

大きなキャベツから赤ちゃんが生まれる「キャベツ畑の妖精」郵便局で切手を何十枚もなめた女性が、キスした相手と口がくっていてしまう「べとつく女」120年ほど前に撮られたこれらの短編映画は、いま見ても面白いらしい。発想が斬新でユーモアと風刺が利いている。撮ったのはアリス・ギイというフランス人で、世界最初の女性監督とされる。映画草創期の約20年間に仏米で何百本もの作品を撮った。制作や脚本も手がけ、子供二人を育てながら米東部にスタジオまで建てた。ルミュエール兄弟が19世紀末にパリで初めて映画を上映したのは有名な話だ。だが、同時代に活躍したギイはほとんど知られていない。その映画史から抜け落ちたのはなぜか。つまり女性だったからだ。現在、日本では女性の国会議員が世界的にみても少ないと言われる。確かに、私より有能な女性はいくらでもいる。国会での与党議員につめ寄る女性野党議員の舌鋒の鋭さ。併し、あんなに角を立てていたのでは男は休まる暇がない。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。彼女は、「女性が成功へ向かって努力する時、障害になるのは強固な偏見と差別だ」だと言う。おやすみなさい、また明日。