愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 『樺太1945年夏 氷雪の門』

樺太1945年夏 氷雪の門』という作品がある。私も含め、殆どの人が観たことがないと思う。昭和49年に作られたものの、あまり公開されることはなかった。これは終戦の8月15日以降、南樺太に武力侵攻してきたソ連軍が、停戦の白旗を掲げた日本軍の軍使を撃ち殺して、住民たちの間に大変な犠牲を出した悲劇が描かれている。電話局の女性交換手、はつぎつぎと殺されていく市民の状況を通信で知って、青酸カリによる自殺に追い込まれていく。私はこれをノンフィクションで読んだが、ロシア兵は「マダム、マダム」と言っては若い女性を捜し歩く。交換手たちは9名は、発見されるや否やレイプの近いことを知って「私もうダメ」と言いつつ先を争って青酸カリを飲んでいく。この映画は完成したとたんに、お蔵入りになった。政治的な圧力がかかったとも、配給会社が自粛したとも言われているが、スタッフ一同本当に無念だったと思う。主演女優は二木てるみ「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。ロシアと敵対関係になった今こそ、この映画を上映して、ロシア軍の本質を明らかにしてやれ。おやすみなさい、また明日。