愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

箕面

どうです、この佇まい。昔は料亭でもやっていたのでしょうか。木造3階建てで今は1階が喫茶店。勿論、これを見ては入らずにおられません。古い建物が大好き。下は川でせせらぎの音が何とも心地よい。 野口英世博士です。15年のアメリカ滞在を経て日本に帰っ…

日本会議 戦前回帰への情念 山崎雅弘

最後の岡っ引きと言われ、「吉展ちゃん事件」の犯人、小原保を落した警察官、平塚八兵衛は、小原処刑の報を聞いて、しばらく後、その小原保の墓参に行ったと記憶するが、日本人的な思想では、どんな悪人も死ねば、みな仏になるという概念があると何かで読ん…

ないもの、あります クラフト・エヴィング商會

『ないもの、あります』とはどういう事なのかと購入前には思っていたのだが。 つまり、『ないもの』を売っている店ということになるわけで。 店名はクラフト・エヴィング商会。 著者もクラフト・エヴィング商会となっている。 では、一体、どんな物が売って…

江の島亭

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 シリーズ29作目 マドンナ、いしだあゆみとデートした江の島亭ですね。 9年前の写真。 ついでにここで昼食、記憶を頼りに寅さんたちが座った場所で私も定食を戴きました! ブログ村・参加しています。 ポチッ!していただけ…

心淋しき巨人 東郷青児 田中穣

これを読むと、美術界に於ける東郷青児の評価は芳しくない。 しかし、著者は彼を擁護する為にこれを書いたのか。 「東郷という男は、本当は、美術界で言われるような悪党ではないのかもしれない」 が、東郷を取り巻く環境は名声こそ二科会の帝王として高い地…

福田屋

現在、大阪の道頓堀川に掛かる戎橋あたりは道頓堀2丁目という地名になっているが、この橋の川に沿った南側一帯はかつて、九郎右衛門町と呼ばれたいへんな賑わいを見せた花街だったらしい。その新戎橋の手前角に「出世地蔵尊」というお地蔵さんが祭られてい…

生きるコント 大宮エリー

エッセイストというのは、何でもない話しを何でもあるように書き換える翻訳者みたいな職業だと思っている。 日常の生活の中で話題の種になるような事柄を見事に救い上げ料理する。 林扶美子は「翻訳とはチャーハンみたいなものかな」と言っているが、将にそ…

流れる星は生きている 藤原てい

物語は、何の脈絡もなく突然、昭和20年8月9日夜10時半頃から始まる。 ドアを激しく叩く音で起きた藤原夫婦。 「藤原さん、藤原さん、観象台の者です」 夫と二人でドアを開けると。 「あ、藤原さんですか。すぐ役所へ来て下さい」 「一体何ですか」 「何だか…

夫のちんぽが入らない こだま

何とまあ煽情的なタイトル。 著者は全く無名の主婦。 しかし、どうなんだろうか、このタイトル。 表紙は購入時にカウンターに置いても恥ずかしくないよう、まるで薄化粧を施したような目立たない装丁。 内容は文字通りそのままで、つまり何と言うか互いに他…

おばあさん 獅子文六

二番煎じ、便乗商法と言っては少し言い過ぎだが、まさかちくま文庫で好評を得ていた獅子文六作品を朝日文庫でも復刊するとは思ってもみなかった。 二刊同時発売だったので、差し当たりページ数の長い『おばあさん』の方から読むことにしたのだが、これが面白…

鎌倉のおばさん 松村友視

永井荷風は、女に対する欲望が枯れ果てた時、死を願ったそうだが、まあ、それも解らぬ話ではない。 男にとっては女あっての人生だとも言えるわけで。 人間社会に於いて芸術家は極端な例を仕事や実生活に持ち込むことがある。 故に、その取り巻きは否が応でも…

胡椒息子 獅子文六

ちくま文庫、獅子文六の第8弾『胡椒息子』なる本が出たので、まさに 「待ちかねぞ文六」ってな具合で早速読んでみた。 ふん・・・! いつもながら思うのは、文六先生の思惑は将来、映画化されるのを想定して書いているような気がしないでもない。 失礼ながら…

長屋

通りの向うにビルさえ無ければ昭和の30年代という佇まい。 しかし、静かですね、人っ子一人居ません! 一体、築何年なんでしょうか。 この辺りは終戦間近な8月に空襲があった地域です。 おそらく、50年前から変わらぬ風景なのではないでしょうか。 ブログ村…

快傑ハリマオを追いかけて 二宮善宏

昭和の30年代、日本のテレビ界は専らアメリカ制作のテレビ映画に頼っていたが、喜んだのは父である。 洋画好きの父は、まるでテレビっ子のように夢中になり、解説付きでいろいろ私に話しかける。 35年頃になると、広告代理店の宣弘社なる会社が国産初のテレ…

たとえば、ブラッキーとクラプトン 僕らが恋した伝説のギターたち 細川真平  近藤正義

ジミ・ヘンドリックス 1970年9月18日 27歳 死因 窒息死 デュアン・オールマン 1971年10月29日 24歳 死因 オートバイ事故 トミー・ボーリン 1976年12月4日 25歳 死因 麻薬の過剰摂取 ランディ・ローズ 1982年3月19日 25歳 死因 飛行機墜落事故 ロイ・ブキャナ…

あやの小路

大正の英文学者・厨川白村(くりやがわはくそん)の旧邸宅を改装して出来た「がま口専門店」らしいが、ここを嘗て、岸田劉生が訪れたとある。 木製の看板の劉生絵日記をよく見ると五行目の下の方に確かに厨川氏という名が読み取れる。 日付は十月十日だが、…

死刑の基準 「永山裁判」が遺したもの 堀川恵子

私には、やや、分不相応な本だとも言える。 著者も言っているが当初、まったく売れなかったとか。 ところが第32回講談社ノンフィクション賞を受賞したことで事情が一変。 確かに優れたノンフィクション作家で、これまで『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』…

横浜開港資料館

現在は横浜開港資料館だが、以前は英国総領事館。 昭和32年、この場所、正確には門柱の前で父が母を撮った写真が我が家に現存する。 今年正月に念願叶って行って来た。 約60年の歳月を経て同じ場所に立ったわけで、子供の私としては実に感慨深い。 32年当時…

海辺の生と死 島尾ミホ

要は『狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ』を読む為の下見として購入した本だが意外に手間取った。 以前『妻への祈り - 島尾敏雄作品集』を読んで、そして今回の本。 その後、『死の棘』『狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ』の流れで4冊読破するつも…

真夏の感謝祭

早いもので『真夏の感謝祭』からもう9年! あの日、あの時、集まった30万人は全員、9歳年を取ったわけで。 人、それぞれに色んな意味合いで濃厚に過ぎて行った歳月なんでしょうね。 サザンオールスターズ 「真夏の感謝祭」 30周年記念ライブ 日産スタジアム …

宇喜多の捨て嫁 木下昌輝

下剋上と聞いて誰を思い浮かべるかと言えば、まず、斉藤道三と毛利元就だろうか。 その道三、かれこれ40年程前のこと、首が埋まっているという道三塚を見に行ったことがある。 長良川河畔での戦いで息子の義龍に破れ首を取られた。 対する元就は生涯を戦に明…

橋本関雪邸の丸石

今年の3月だったか、京都にある日本画家 橋本関雪(1883~1945)の旧宅に行った折り、広大な庭園を散策していたら、こんな平ぺったい大きな丸石を見つけた。 何だろうと思い近づいても意味がよく分からず? 振り返ると、縁側にはこのパネルが! よく見ると、…

かの子繚乱 瀬戸内寂聴

瀬戸内寂聴という人は伝記文学の名手だ。どの本を読んでもこちらをぐいぐい引き込む。この『かの子繚乱』も傑作の一つだろう。 昭和の30年代だと記憶するが文豪谷崎に会いたいがため、舟橋聖一に仲介を頼んだと何かで読んだが、その谷崎の学生時代、同級生に…

T-SITE

我が街から文化が去って数年の時を経た。 文化! 何も大仰なことを言っているのではない。 唯一の書店とCD屋が撤退してしまったのである。 ブックオフなどさらさら無く、文化空洞化現象の街になって仕舞った。 だから休みを利用して行って来た。 丸ごと文化…

ロンドン狂瀾 中路啓太

568頁もある弁当箱サイズの単行本、時間もかかり、かなり疲れた。 期待と意気込みだけではなかなか読み切れないので、義務感で突破するしかない。 通常、この問題は昭和前期の歴史として重要な課題なのだが、殆ど省略されて、一頁ほどで済まされることが多い…

村山たか女創建の弁天堂

長野主膳、島田左近と言っても今日では知る人も少ない。 大老・井伊直弼の家臣として暗躍したが攘夷派から憎まれ大老暗殺後、長野主膳は斬首、島田左近は木屋町二条で殺害された。 その、井伊直弼との関係では外せない人物、それが村山たか女だ。 女性という…

殉愛 原節子と小津安二郎 西村雄一郎

本来なら『純愛』と書くのが通常だが敢えて『殉愛』と表記するところに意味深なもを感じる。 並々ならぬプラトニックな愛が存在するかのようなタイトルだが、果たして本当のところはどうなんだろうか。 殉愛とは愛に殉ずるということからして、余程深い思い…

ハリス 日本滞在記

先日、古書店で見つけた『ハリス 日本滞在記』、ハリスが日記を付けていたことは何かで読んだことがあるが、岩波文庫から出ているとは知らなかった。 上・中・下巻で3千円もするが出会ってしまっては買うしかないと諦めた。 3巻で約900頁、註釈付きでやたら…

帯に桑田氏、襷に長し

古書店のワゴンセール、100円コーナーの中にこんな本が❗ 帯に注目、何と桑田佳祐の写真が。 30年程前だろうか。 知らなかった。

風草の道 橋廻り同心・平七郎控 藤原緋沙子

私にとって歴史小説作家と言えば司馬遼太郎、吉村昭、海音寺潮五郎で、時代小説作家は山本周五郎、池波正太郎、藤沢周平というところか。 テレビ、映画を問わず時代劇は昔から好きで『必殺仕事人』『大岡越前』『遠山の金さん』『鬼平犯科帳』などをよく見て…