愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

たとえば、ブラッキーとクラプトン 僕らが恋した伝説のギターたち 細川真平  近藤正義

 

ジミ・ヘンドリックス 1970年9月18日 27歳 死因 窒息死
デュアン・オールマン 1971年10月29日 24歳 死因 オートバイ事故
トミー・ボーリン 1976年12月4日 25歳 死因 麻薬の過剰摂取
ランディ・ローズ 1982年3月19日 25歳 死因 飛行機墜落事故
ロイ・ブキャナン 1988年8月14日 48歳 死因 留置所で首吊り自殺
スティーヴィー・レイ・ヴォーン 1990年8月27日 35歳 死因 ヘリコプター墜落
ロリー・ギャラガー 1995年6月14日 47歳 死因 長年の飲酒癖
 
これらの天才ギタリストは全員50歳まで生きられなかった。
ロック・アーティストはギタリストに限らず寿命が短いという定説があるが確かに!
しかし、今日の1冊はギタリストの伝記本ではない。
タイトルにあるように『ブラッキーとクラプトン』とはクラプトンが愛したギターの名前で本人が勝手に名付けたもの。
 
名演奏や名盤で使われたギターを紹介しているが、これが結構マニアックで難しい。
ギターに詳しいわけではないので専門用語など解らず意外と手間取った。
驚くのは殆どの人がギターを改造しているところ。
自分専用のギターに作り替えていると言うからビックリ。
ブライアン・メイのギターが全て手作りだというのは昔から知ってはいたが、そんなことが出来るものなんですね!
名付けてレッド・スペシャル。
 
例えばクラプトンは、6~7本のストラトキャスターを買い、ジョージ・ハリスン、ピート・タウンゼット、スティーヴ・ウィンウッドに1本ずつプレゼント、残ったギターのベストなパーツのみを集めて組み立てたのがブラッキーというわけで一流ギタリストになるとそんなことをするわけだ。
その後、ブラッキーは2004年のオークションで、1億円で落札されたとあるから凄い!
有名なB・Bキングのルシールはクラブで演奏していた時、フロアで二人の男が喧嘩を始め、そのはずみで石油ストーブがひっくり返り、アッというまに店内は火の海。
キングは外に逃げ出したがギターを忘れたことに気付き燃え盛る建物の中に入り命からがら愛器を運び出したとか。
あとで喧嘩の原因が一人の女を巡ってのことだと知り、その女「ルシール」の名を取ってギター名にしたらしい。
テレキャスターストラトキャスターレス・ポールと一流ギタリストは自分の手に馴染むように独自の改良を試みるようだが、名曲に纏わる逸話やギターの変遷などを知るのも面白い。
『ライブ・イン・ジャパン』でリッチ・ブラックモアが弾いた『スモーク・オン・ザ・ウォーター』はストラトキャスターだが、その実物があるならファンとしては是非にも見たいものだ。
他にはジェフ・ベックの『哀しみの恋人達』、ロイ・ブキャナンの『メシアが再び』サンタナの『哀愁のヨーロッパ』、ゲイリー・ムーアの『パリの散歩道』と名曲を奏でた愛器も一度拝んでみたい。