愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 森鴎外の妻、志げ

森鴎外の妻の名は志げといって大変な美人だった。確かに残された写真を見ても昔を忍ばせる美人の相だ。その子供は母の想い出としてこのように語っている。「母は女性にしては多言を弄さず、口にすればそれはもう結論だった。しかし手紙には豊饒な言葉があふれている。こんなにいろいろなことを感じ、見る目も尋常ではない人でった」しかし現在ではそんな女性は稀どころか絶滅危惧種だろう。茶店なんかで聞いている女性たちの話し声は、それ即ち、立て板に水の如しだ。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。鴎外の妻のような人は明治女のなせる業ではなかろうか。第一、私自身がよく喋るねと言われるぐらいだから。おやすみなさい、また明日。