愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 獅子文六

劇作家、演出家として名を馳せていた岩田豊雄は、戦後、愛媛県出身の静子夫人と再婚し、生活費を稼ぐため、獅子文六という筆名で、雑誌に雑文を書き始めたことから、ようやく生活が上向いてくる。掛け算の四四(しし)十六のもじり、あるいは文豪(ぶんごう)より上のぶんろくというのが筆名の由来らしい。彼の小説を読んでいると一伍一什という単語がでてくる。これでなんと読むかといえば「いちぶしじゅう」と読ませる。本来なら一部始終と書くが戦前などではこのように書いたのだろうか。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。獅子文六の作品は昭和30年代、しきりにテレビドラマ化、または映画化されたようだが、この手の映画に興味のない父はまったく無関心だったのか、観た記憶がない。もっぱら洋画のみだ。今からみるとユーモア作品の彼の映画を観たいものだが、あまりお目に掛かることがない。おやすみなさい、また明日。