愛に恋

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悦ちゃん 獅子文六

 
筑摩文庫、獅子文六シリーズ『悦ちゃん』。
以前にも書いたと思うがペンネームの文六とは文豪(文五)の一つ上という意味だが、私個人、あまり獅子文六を文豪と思ったことはない。
どちらかと言うと大衆小説作家で物語としてはよく纏まって読み易く解りやすい。
ただ、この『悦ちゃん』に関してはどこか落語のような筋書で偶然の出会いの連続でストーリーが構成されている。
ちょっとばかり情けないような父親、碌太郎の再婚相手を巡って悦ちゃんが奔走するような話しだが如何にもフィクションで、こんなに何回も偶然があるかと思わせる点が少し疑問。
 
ところで『悦ちゃん』なる小説、有名なのかどうか知らないが、文六の初めての新聞連載で昭和11年7月19日から翌年の1月15日まで報知新聞に掲載されたというから戦前の作品ということになる。
私より二回りほど上の人が読んでいたということか。
直ぐに映画化されたらしいが私は観てない。
昭和33年には松島トモ子主演でテレビドラマとして放映されてもいるが記憶にない。
 
因みに父の碌太郎は文六本人がモデルで悦ちゃんは娘がモデル。
ともかく、この獅子文六シリーズはいつまで続くか知らないが、こうなったら全部読むつもりでいる。
 

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