愛に恋

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ダメオのアニマル・ラブ Part.24 

「さよなら父っあん、元気でな」「おめえたちもいつまでも達者でな。兄弟仲良くやっていくんだぜ」「分かってるよ、この村をしっかり預かって住みやすい所に変えていくよ」「ども安一家には気を付けろ。やつらはどんな汚えねやり方でも平気なんだからな、おめえたちも配下の者をしっかり束ねていかねといけねえぜ」「そのつもりよ、若頭の富蔵がよく心得ているから大丈夫だよ」「それなら安心だ。あいつが子供の頃から俺が厳しく育てたからな、将来はあいつを後継者としてやっていくんだぞ」「分かってるって、父っあん、たまには遊びに来てくれよ」

「ピート、朝日が昇ってきたぞ」「清々しいね」「うん、景色もいいし、素晴らしい環境だ」「もう帰るの」「そうするよ、あと15分ぐらいで向こう岸の着くからな。そろそろ腹も減ったしな」「少し仮眠もしたいね」「うん、朝が早かったからさすがに眠たいよ。朝食を食べたら少し寝よう」「うん、僕もうとうとしてきた」「もう直ぐだ、我慢しろ」

「諸君、カタールの猫を見たことがあるだろうか。カタールは猫に対しても法律が適用されるのじゃ。頭に白色の「ゴトラ」というものを被らなくてはいけない。これを被ってこそ一人前のカタール猫として認められ、堂々と道を歩けるばかりではなく、結婚も認められているわけで、なかなか厳しい国として有名なのだ。だから日本の猫なんかと違って品格と知性を兼ね備えてる、威風堂々たるお猫さまなのじゃ。控えおろう」

「おっちゃん、ありがとう助かるよ」「然しおめえ、そんな大きな魚、自分だけで食べれるのか」「違うよ、家に持って帰ってケメコにも食べさせるんだよ」「ケメコ、誰だそりゃ」「えへへ、嫁だよ」「あっそうか、おめえ所帯持ちか」「子供も6匹いるよ」「へえ、いつの間に。ちゃっかりしてるぜ」「だから嫁に沢山食べてもらわないと乳が出なくなるんだよ」「そういうことか。それなら明日も来いよ。もう1匹上げるからよ」「あそう、それはありがたい。最近、叱られてばかりだったからね、ケメコに喜んでもらえるよ。すまないね」「いいってことよ」

おお、我が人生において最大最高の邂逅。どうですか、まさに握手寸前のザトウクジラ。私が運営する海洋館、ダメオ・ザ・ワールドに連れて帰ろうかな。

「こんな感じでいいの」「うん、ばっちりだ。いい感じだよ」「早くしてよ。この体勢のままじゃ疲れるから」「そうかな、なんか慣れてる感じだけど」「違うよ、初めての格好だよ」「ネコはそんな座り方しないの」「しないよ。座って背を伸ばすなんて信じられない」「分かった、、いくぞ、いいか」「いいよ」「はいチーズ! カシャ」

「おい、あんまり近づくなよ。鼻息で吹っ飛ばしてしまうから」「鼻息は御免だけど、鼻の穴に何かエサになるようなものが詰まってないかい」「ないよ、そんなものは。鼻くそだけだよ」「君にとっては鼻くそでも僕にとってはエサかもしれないからね」「とにかくそれ以上、近づくとクシャミが出るからね」「ハクション大魔王か」「くしゃみひとつで 呼ばれたからは それがわたしの ご主人さまよ ハ ハ ハクション大魔王」「とにかく良くみせて」「エサなんかないから良く見て」「え~と」

「おいおい、君、何か勘違いしてるんじゃないの」「何が」「何がじゃないよ。本来なら君は僕のエサなんだよ」「あそう」「何言ってるんだよ。君は鳥だろう。格好の餌食じゃないか」「あ、そうなの」「あ、そうなのって、暢気に構えている場合じゃないんだよ」「なに、君が僕を食べるというわけ?」「そうだよ、ましてやこんな近くにいるんだから捕まえるにはチャンスじゃないか」「へえ、じゃやってみればいいじゃないさ」「まあ、今回は止めとくよ」「え、どうしたんだ、チャンスなんだろ」「もういいよ」「ほらね、出来ないだろ」「出来ないや」

41年前の1981年11月13日、沖縄にて「ヤンバルクイナ」発見。日本において約100年ぶりの新種の鳥の発見となったって「言うけどさ、別にオイラは新種でもなんでもなく、太古の昔からこうやっていきていたんだぞ。人間が見つけて勝手に新種なんて騒いでるけど、オイラの祖先は初めは飛べたんだ。しかしこの島に特段、天敵がいなかったために羽が退化して無くなっちゃんだよ。後は頼んだよ、飛べないんだから変な哺乳類なんか持ち込まないでよ。そうすればこれからも長く子孫が繁栄出来るんだから。

「気を付けろ。前にはワニ、後ろにはライオン」「うん、水場が一番危険なんだからな」「ホント、ホント。昔は6頭だったのにな」「マサルがあの憎いライオンに襲われてな」「いいか、これからもサバンナの5頭として生きていくからな」「おお、助け合って行こうぜ」「たっぷり飲んだらさっさと引き上げようぜ」「みんな飲んだか。じゃ行くぞ」