愛に恋

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ダメオのアニマル・ラブ Part.22

「杉作、今日は閑だな。お客さんゼロだぞ。どうする」「どうするったって仕方ねえべ、来ないものは来ないべ」「来ないべってお前、薄情な奴だな。もっと宿のことを心配しろよ」「してるさ」「お前、その顔で心配してるなんてよく言うよ。早く遊びに行きたいっていう面だぞ」「お前こそなんだ、さっきから腹がグウグウと鳴って、えー昼飯はまだかってな顔してるぞ」「あほ、お客さんが来なかったら俺たちもおまんまの食い上げだぞ。もっと真剣に考えろ」「何をこの野郎、言わせておけばいい気になりやがって」「アンタたち何喧嘩してるの」「はい」

「あれ、もしかして君、ピーターラビット!」「そうだよ」「えっ、ピーターラビットは実在したんだ」「あたりまえじゃないか。僕が正真正銘のピーターラビットさ」「いや~、まさか本当にいるとは思わなかった」「なんでよ、伝説上のウサギだと思っていたの」「いや、アニメの世界の話かなと思ってさ」「冗談じゃないよ、僕はこうして毎日元気でエサ探しに出かけてるんだよ」「そうか、会えて嬉しいよ。それなら今度人参持って来ようか」「ああ、それはありがたい。この辺りじゃ人参は取れないからね」「分かった、きっと持ってくるから待ってて」

「遅っそいな、もう」「ホント、いつまでやってるんだ」「早く帰って来ないともう腹ペコだよ」「おい与太、いつ頃帰って来るんだ」「分かんね、いつもならもう帰って来ても遅くないんだがな」「っとにもう、いらいらして来た」「もう限界だ、帰ろうよ」「何言ってんだよ。ここまで待ってたんだから、帰るまで待ってるんだ」「ちぇ、仕方ねえな、まったく」「うだうだ言うな。静かに待ってろ」「・・・」

「ちょっと、何してるの」「何してるのって抱き合ってるんじゃないか」「抱き合ってるってアンタ、これおかしいでしょ」「何が」「何がじゃないわよ。ネコがこんな抱き方はないでしょ」「こんな抱き方って、抱き方に決まりなんかないよ」「あるわよ。この抱き方は主人のパパとママの抱き方じゃないのさ。駄目よ人間と同じじゃ」「じゃ、どうするんだ」「決まってるじゃない。座りながらただ引っ付き合うか、それかお互い横向きで寝ながら腕を絡ませればいいのよ」「そんなの決まりなんかないよ、どうだっていいんだよ」「駄目、とにかく駄目」

悲しいことに、このオオカミ犬は、大きくなりすぎて所有者が扱えなくなった後、殺処分シェルターに捨てられました。ありがたいことに、ある聖域地が代わりに彼を連れて行き、命を救ったらしい!彼の DNA テストでは、87.5% が灰色オオカミ、8.6% がシベリアン ハスキー、3.9% がジャーマン シェパードである。然しこの大きさ、とても飼い主以外は近くに寄れない。

「ちょっと、アンタたち、こんなとこで何やってんの」「あっ!」「あ、じゃないわよ。ここは逢引きするような場所じゃないのよ。まったく朝っぱらから」「ごめんなさい。どうも寒いと思った」「出なさい。ここはね食べ物を入れておく場所なの。アンタたちが入るところじゃないの。分かった。二度と入っちゃだめよ。いいわね」「はい、もう二度と入りません」「キスしたいなら自分たちの寝床に行ってやりなさい」「ここなら誰にも見つからないかなと思って」「アンタたちがキスしたって何とも思わないわよ」「良かった、さあ出よう」

シェリー、起きろ。いつまで寝てるんだ。おい、起きろ。もう8時だぞ。シェリーったら。起きろってば。起きないなら朝食は抜きだぞ。いいんだな。よし分かった、いつまでも寝てろ」

「ちょっと、いつまで寝てるのよ」「ス~、ス~、ス~」「ねえ、起きなさいよ。試験会場なのよ」「グ~、グ~、グ~」「ちょっとアンタ、たま子、いい加減にしなさい」「ファ~、ファ~、ファ~」「たま子、たま子、たま子ってば。先に帰っていて」「フ~~~」「もう、仕方ないわね」「何だ、その猫は。誰が連れてきたんだ」「ほら、たま、先生に見つかったわよ。帰れってば」「えっ!」

「ボス、なんかあるんですか」「アホ、缶コーヒーのボスみたいに言うな。何べんも言ってるやろ。閣下と呼べって」「はい閣下、然し何があるんです」「このボケ那須。分からんか、この空気の美味しいことが」「空気!空気なんかみんな同じですよ」「だからお前らはいつまで経っても唐変木なんだ。いいか、寒くなって来た今の空気こそ、思いっきり吸い込んで英気を養うのだ」「そんなもんですかね。別に変わりはないと思うのですけど」「もういい、おい田吾作。何処かで魚を焼いている匂いがするぞ。お前行って見て来い」「へい、分かりやした」

「ちょっと、いつまで寄りかかっているんだよ」「いいじゃないさ、もう少し読ませてよ」「重たいんだよ」「よく言うよゾウのくせに」「ゾウだって重たいさ」「うそばっか、こんな大きな体して何が重たいだ」「時間が長くなれば同じ体勢で疲れてくるんだよ」「もう、仕方ないな」「この後、何処へ行くんだ」「マンディ爺さんの所に行って野菜を貰いに行くんだよ」「少し食べさせてくれるんだろ」「勿論さ、白菜。キャベツを沢山上げるから待ってて」「よし、そろそろ出かけようよ」「はいはい」