「あれ、どうしたんだ、こんなところで」「・・・」「ひとりぼっちか」「・・・」「こんなところに居ては餌にありつけないぞ」「ほっといてくれ、ひとりでいたいんだ」「だけど、ここ・・」「いいからあっちへ行けよ。煩いな」「本当にいいのかい」「腹が減ったら出ていくから、それまでここにいたいんだ。ここは涼しいから好きなんだよ。仲間の誰も知らないところだからね、こうやって涼んでいるんだよ」「あっ、そういうことか。悪かった、じゃ僕は行くよ」「うん、またな」
「おっととと、危ない」「おい、落ちてくるなよ」「大丈夫だよ、そう簡単に落ちないから」「アンタが落ちたら私も一緒に落ちるんだからね」「分かってるって、ガタガタ言うんじゃないよ。こんなの慣れたもんだから」「偉そうなこと言って、アンタの言うことなんか誰が信用するか」「見とれ、この足腰の鍛えたことを」「いいから、しっかり踏ん張って」「はいはい」
「眠たい・・・」「グゥ~、グゥ~、グゥ~」「フゥ~、フゥ~、フゥ~」
「よしよし、もう大丈夫だよ。これからは独りじゃない。僕と一緒に生きて行こう」「うん、私もそのつもりで来たのよ」「新しい縄張りを見つけてあるからね。安心していいよ」「ホント、良かった。それだけが心配だったのよ」「近くにね、餌をくれる優しいダメオという人がいてね。すごく助かってるんだよ」「それならよけい安心ね」「うん、じゃ行こう」「はい」
「ちょっとアンタ、スマホなんか見てる場合じゃないわよ」「何がさ」「いいからもうやめなさいよ」「煩いよお前は」「何言ってるの、そんなこといいからこっち向きなさい」「お尻触るな」「バカ、お尻の穴を隠しなさい」「お前が触ってるんじゃないか」「違うわよ、アンタのお尻が写真に撮られようとしてるのよ」「ええ・・・!」
「ちょっと、ちょっと、どうなってるの」「いいじゃないの。僕たちママに見放されたんだよ」「だ、ダメだよ。君たちを育てられないよ」「そんなこと言わないでよ。なんでそんなビックリした顔するの」「そりゃビックリするよ、いきなり来て」「とにかくさ、僕たちたった3羽だから一緒に居させてよ」「いやいや、本当にダメだって」「ダメ、もう私たちここから離れないからね」「え~、困ったな」「困らないよ、とにかくさ、これからはお母さん替わりになってもらうからね、宜しくお願いします」「・・・」
う~ん、こんな寝心地のいい入れ物があったのか、早く言ってよね。それにしても便利な瓶だ。楽ちんらくちん!
整~列。規~律。待てぇ。・・・良し。