愛に恋

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ダメオのアニマル・ラブ Part.26 

「何だこの野郎」「いて、乱暴するな」「ふざけやがって、この猫通りに何の用事だ」「ここを通って悪いのか」「おお、悪いわ。ここはお猫様専用通りだぞ」「何がお猫様だ、俺たちはな、ダメオ様のお屋敷のドッグ様だぞ。お前らの勝ってにはさせないぞ」「けぇ、あのダメオの犬か。それなら尚更、通すわけにはいけねえな」「くっそ、お前らただじゃおかねえぞ」「あっ、何しやがる、俺の妻に。交尾なんかしてんじゃねえ。犬が猫と交尾してどうする。チェシー、お前もお前だ。何で大人しく受け入れてるんだ」「だって」「だっても案山子もねえ。ぶん殴ってやれ」「くっそー、こうなったら加勢を頼むしかねえ。お~い、野郎ども助けてくれ。みんな早く来てくれ」「しまった、おいロビー、逃げるぞ。いつまでもそんなことやってるな」「そうだな、屋敷まで一目散だ」「おい待て~」

「何なに、どうしたの」「え、何だって」「何があったの?」「どれどれ」「あっ、あれか」「どれ、どれどれ」「あそこだよ」「どこ、何もないよ」「あそこだってば」「何処よ」「何があるの」「分からない」「何を見てるの」「さっぱり分からん」「何言ってんだよ。あの木の横を見てよ」「ええ」「ホントになにかあるの」「何もないってば」「なーんだ」

「はい、次の方どうぞ」「3番、横手町のとび蔵です」「はい、とび蔵さん、今日歌う曲は」「伊藤久雄さんの暁に祈るです」「暁に祈る、古い戦時中の曲ですが」「はい、生前、祖父がよく歌っていたもので」「そうですか、それでは歌ってもらいましょう。横手町のとび蔵さんで暁に祈るです」♪ああ あの顔で あの声で 手柄頼むと 妻や子が ちぎれる程に 振った旗 遠い雲間に また浮かぶ。カンコンカンコンカンコンカンコンカ~ンコ~ンカン。「おめでとうございます。今のご感想を一言」「これで祖父の供養ができました」「有難うございます」

「なになに、帰って来た」「まだだよ」「なんだ、まだか」「早く帰って来ないかな」「お腹空いたよ」「ママ、どこまで行ったんだろう」「出かけたの午前だろ。もう夕方だよ」「う~ん、遅いな」「ねえねえ、アンタ犬でしょ。関係ないんじゃないの」「冷たいこと言うなよ。オイラだってお腹空いてるんだからさ」「自分で見つけに行けばいじゃんか」「まだ子供だから無理なんだよ」「その分僕たちのエサが減るじゃないか」「大丈夫だよ、きっとママは沢山のエサを持ってくるから」「ホントかな」「あ、あれそうじゃない」「何処!」「あそこだよ」

「ちょっと、ちょっと、場所取りすぎ」「煩いわね、仕方ないでしょ。体が大きいんだから」「それでも少しぐらい気を利かせてくれてもいいじゃないのさ」「そんなこといったら私が落ちちゃうよ」「落ちないように工夫して寝ればいいじゃないの」「出来ないって」「出来るって」「じゃ、場所変わろうよ」「面倒くさい」「じゃ何、この体勢で寝ろっていうの」「寝れるって」「寝れないって」「もう、アンタなんかいつも直ぐ寝るじゃないの」「この体勢でどうやって寝ろというの」「黙っていれば直ぐ寝るよ」「だめだめ」「煩い、もう寝なさい」

「やっとこれで、ウチにも高層マンションが出来たのね」「みんなの寝場所も決まったわけだ」「下から年の順なのね」「そうだ、ご老体は下の方がいいだろう」「これで、あっちこっちに寝なくてよくなったのね」「名付けてキャット・タワーか」「それいいネーミング」「家内安全」「家内安泰」「よしみんな、来年も宜しくな」「よろしく~~~」

「ああ、フワフワだ」「ちょっと、ベッドじゃないんだからね」「いいじゃないのさ。こんなに気持ちいい寝床はないよ」「「もう、毎日、毎日、これじゃ落ち着いて寝れないよ」「僕は気持ちよく寝れるよ」「君はいいだろうけど、こっちの身にもなってよ」「そんな大袈裟な問題じゃないでしょ。僕は子供だよ」「子供でもなんでも、ずっと乗ってれば重たく感じるよ」「なに言ってんの、僕の体重なんて知れてるでしょ」「仕方ないな、動かないでよ」「それはこっちのセリフでしょ」「「もう寝るよ」「はい、おやすみ」

昔、友人が住んでいたアパートの裏に孔雀が飼われていたが、時折、啼いていたが今ではその啼き声を忘れてしまった。然し、この孔雀の色彩はどうだ。これは神が創りたもうた結果だろうか。最新のテクノロジーとしか言いようがない。孔雀自身が創造したものではないだろう。「どうだ、人間ども。己らはこんなに美しく着飾れないだろう。しっかり観て堪能してくれよ。この、えもいわれぬ美しさを」

「あっ、何だこれは」「・・・」「誰がやったんだ。ミネコ、お前だろ」「・・・」「せっかく買ってクリスマスを祝おうと思っていたのに、まったく何ていうことをしてくれたんだ。何とか言え」「・・・」「こういうことをする猫は追い出してしまうぞ。それでもいいのか。外は雪が降って、お前なんか生きて行けないぐらい寒いんだぞ」「😿」「「よ~し分かった。ウィルマ、今日限りミネコを追い出すからな、文句を言うなよ」「アナタ、それだけはやめて。可哀想じゃない」「バカなことを言うな。コイツのお陰でこのざまだ」「子供たちが帰って来る前に、これを片付けて、このドラ猫を追い出してやる」「ミネコ、謝りなさい。ジミーは本気なのよ。ミネコ!」「ごめんなさい。もう二度とこんなことしないから、追い出すのはやめてください」「くっそー、このドラ猫が。今度やったらただじゃおかないからねな。ウィルマ、さっさと片付けてしまえ」「分かったわ。ミネコ、もうホントに悪戯したらダメよ、分かった」「はい、分かりました」

さあ、やっと研修医を卒業して、これで晴れて開業医になれたわけだ。これからはばんばん働くぞ。借金も返していかなければならないし。この地域に敢えて開業したのも病に倒れて命を失う猫が多いからだ。コロナ、インフルエンザ、結核、癌、肺炎、前立腺肥大、いぼ痔、避妊、近親相姦など問題は山積している。看護師も3匹ほど雇って、医療事務も置かなくてはならない。大変だぞ。地域医療従事者として信頼される医者にならないと。よし、写真もばっちりだ。院長:駄目寅平之助。