愛に恋

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ダメオの妄想世界の旅 Part.55

この放射線状に伸びた4つのタウンが我がダメオ・コーポレーションの寮です。試験に合格した暁には寮に入り、更に2年間みっちり社会現象、世界情勢、宗教問題、東西問題、南北格差、戦争、紛争、地理、経済、歴史、合気道、剣道など、1日8時間学んでもらいます。いわば文武両道を磨いてもらうわけです。但し、退所はご自由です。

キャサリンは何処へ行くつもりでしょうか。私は少しあたりを探索しています。しかし素晴らしいエメラルドグリーン、誰もいないなんて勿体ない。宣伝して海の家でも開こうかなダメオ・コーポレーションで。

さあモーニングでも頂くか。今日は世界一美しい海岸と言われる、イタリア南部のソレント半島南岸、アマルフィ一海岸に来ています。ちょっと、これでは少ないかな、いまから泳ぐというのに。水着もボクサーパンツしか持ってこなかったけど。

今日は疲れました。阪急電車が止まっていたため、急遽、タクシーで伊丹空港へ向かい、自家用ジェットでウクライナに飛び、今しがたゼレンスキー大統領の邸宅に着いたところです。夫人の出迎えもあり、今夜は大統領の帰宅と共にちょっとした晩餐会が開かれます。国防相参謀総長なども参加して、今日現在の戦況報告もあるとか。あとは無礼講でパーティです。今夜はここに泊まり、明日はドンバスに向かいます。

現在、我が社では「スペース・ダメオ・イレブン(11)」を建設中で、いよいよ世界に先駆けて有人飛行で火星探査に向かう計画です。実は『ダメオ・コーポレーション採用試験』はこのためだったんです。強靭な肉体と精神を持ったスタッフを6人採用して火星に行ってもらう予定です。

ああ、なんと清々しい朝だろう。朝っぱらから何か大きな音がすると思ったら、裏の滝の音だったんだな。「おお~いマギー、そろそろモーニング頼むよ」「いつまで寝てんのよ、私はもう勝手に食べたのよ」「ごめんごめん。夕べパソコンやっていて2時ごろまで起きていたから。あ、そうそう、ハムエッグを忘れないでね」「分かってるわよそんなこと。早く顔洗ってきなさい」「はいはい分かりました」「今日、チューリッヒまで行くんでしょ」「行くよ、君も一緒に行くかい」「私も本屋に用事があるから行くわよ」「よし、直ぐ食べるよ」

今日はヨルダンのペトラ遺跡を旅しています。死海アカバ湾の間にある渓谷です。死海からは約80km南に位置です。とてつもなく巨大な遺跡です。ラクダに乗っているのが私で、前の人はガイドです。しかし暑い。

おはようございます、みなさん。今朝は遠く離れたジャングルの中で朝を迎えております。とにかく私は誰も居ない静かなところが好きなんです。都会は煩いですからね。静寂こそ読書の生みの親です。もちろん誰もいないといってもスタッフやメイドは別ですが、スタッフの中には建築家もいますので、こんな物件を作ってしまいましたが、住んでみるこ都です。さて、今日は早く起き過ぎた、モーニングを食べよう。

「凄いところだね」「何だか怖いわ私」「なに言ってるんだよ、ちょっと幻想的なだけじゃないか」「だけど、なんか恐竜でも出て来そうなところなんですもの」「バカな、そんなものいやしないよ」「だけど太古の昔に還ったような場所じゃないの」「まあ、確かにそうだけど、しかし君は意外に臆病なんだね」「違うわよ、繊細なのよ」「下に降りてみようか」「いやよ、もう帰りましょうよ」「ええ、まだ来たばかりでしょ」「じゃ、アナタひとりで見てきて。私、帰るから」「分かったよ、ひとりじゃ危ないから一緒に帰るから」

ああ、眠たい。寝不足だ、どうしてこう忙しいのかな。少し休暇が必要なんだけど、まだ休めそうにない。目覚ましの朝風呂に入ろう。マギー、湯加減はどうだ、入るぞ。