愛に恋

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ダメオのアニマル・ラブ Part.36 

「ゾウさんゾウさん、お鼻が長いのね、そ~うよ、母さんも長いのよ、って知ってる?」「知らない」「聴いたことないの、ちょっと歌うから覚えてよ」「歌なんかいいから、お乳」「はいはい、オッパイね」「もっと飲みたい」「まあいいけど、甘えん坊だな」「しょうがないじゃない、ママがいないんだから」「だけど、だんだん大きくなるから、そうなったらもう乳離れだからね」「嫌だいやだ」「分かったわかった、はい飲んで」

「おい、なんだこれは!まったく、どいつもこいつもとんでもない野郎だ」「しらな~い」「何だと、もう一遍言ってみろ」「し・・・」「おい、いいか、今日から三日間エサは無しだからな。そのつもりでいろ」「えええ、それはないよセニョール」「何がセニョールだ、ふざけやがって。もういい、そこで寝そべっていろ」「ちょ、ちょっと待ってよ」「もう遅い。何を言っても出さないぞエサは」「外で探してこい」「ご、ごめんなさい」「バターン」

「な~に撮ってんだよ」「あっ、ビックリしたな」「誰だお前は」「えっ、ダ、ダメオと言います」「ダメオ、ふざけた野郎だ。ここは俺の縄張りだぞ」「あ、すいません。エミューさんですよね」「そうだ、エミュー様だ」「ご、ごめんなさい。今すぐ出ていきますので、ちょ、ちょっと待ってください」「とっとと失せやがれ。今、子育て中なんだよ」「はいはい、行きます。さよなら」「ちぇ、なんて奴だ」

「おばあちゃん、僕、おばあちゃんのこと大好き」「そうかそうか、嬉しいよ。おばあちゃんもポチのことが大好きだよ」「ホント、嬉しいな僕チン」「私にはお前だけだからね。いつまでも仲良く頼むよ」「うん、僕は絶対おばあちゃんといつまでも一緒にいたいから長生きしてね」「私もそのつもりだよ。お前とずっと一緒にいたいからね」「良かった、本当に良かった」

「ああ、お腹減った、お腹減った。大漁、大漁。たっぷり食べるぞ今日は。ワオォ」

「ほら~、何べん言ったら分かるんだ。ハ~トだハ~ト。おい、左の後ろの黒い犬、お前、なんではみ出てるんだ。ちゃんと並べ。右側にいる三番目の黒い奴ももう少し中に入れ。あと一歩。左で耳を立てている白い奴もあと一歩前に出ろ。何処向いてるんだ。よし動くなよ、写真撮るから」

「良かったよかった、やっと逢えた」「ホント、嬉しい。元気だった」「元気だよ、ぜんぜん変わりないよ。タミちゃんこそ元気だったの。最近まったく散歩に来ないからホント心配してたんだよ」「散歩の時間がちょっと変わったからね、また元に戻してもらうよ」「うん、そうしなよ。だけどこれから梅雨時で雨が多くなるからね、また逢えない日があるかも知れないけど心配要らないからね」「うん分かった。これからも仲良くやっていこうね」「もちろんだよ、僕たちは一心同体さ」「よし、じゃまたね」「うん、さよなら」

「よ~し、今だ捕まえろ」「早くはやく」「また、例によって取り逃がすんじゃないのか」「トムは本当にドンくさいからな」「いつも恰好ばかり」「ホント、ああやって顔ばかり」「それ今だ~」

「お、お前だったのか」「何が!」「ダース・ベイダーだよ」「ダース・ベイダー?」「ダース・ベイダー知らんのか」「ダース・ベイダーって、あのスターウォーズの!」「そうだよ、スターウォーズダース・ベイダーだよ」「まあね、実はそうなんだよ。バレてしまったらしかたないね。「併し、見ればみるほどダース・ベイダーだ」「あたりまえだよ、予がダース・ベイダーじゃ。ウワハッハハ」「おのれ、助さん、格さん、懲らしめてやりなさい」

「こんにちは!私に挨拶を返したいと思っている人がどれだけいるか疑問です」「何を言ってるんだよ、僕は君みたいな犬が大好きだよ」「どうして」「あたりまえじゃないか。こう言っちゃなんだが、ひとりでは生きて行けないだろ、そういう君の手助けをしてあげたくなるのが人情じゃないか」「刃傷!」「違うよ、とにかくさ、いろいろ世話をしたくなるんだよ。僕となら上手くやっていけると思うよ」「ホント、ホントなら凄く嬉しいけど。めんどくさくて捨てられたこともあるからね」「そういうのを心無い奴というんだよ」「嬉しい、ありがとう」