愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 十六代様

徳川吉宗の将軍継嗣である家重公は生まれつき言語が不明瞭で、逆に次男の宗武公は至って聡明、武にも秀でた傑物に育った。ゆえに家重公を廃嫡して宗武公を継嗣に、という動きが幕閣の間で起きたことがある。相続の儀はまことに難しく、大名諸侯でも跡目を巡って家臣が割れ、その騒動が因で改易となった例もある。なればこそ将軍家としては、天下に範を示さねばならない。吉宗公は長幼の序を重んじて長子、家重公を継嗣と決め、宗武公には田安家という別家を立てさせた。下って慶応4年の大政が奉還された後、新政府から慶喜に代わって徳川宗家を相続したのが当時、数え年で6歳だった田安亀之助だった。所謂、十六代様といわれた德川家達(いえさと)である。家達は昭和15年まで存命で従一位大勲位公爵と数々の役職を歴任した。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。今日、私を担当していた歯科衛生士からショッキングの報告があった。今まで彼氏がいないとばかり思っていた彼女から、最後の言葉。「もうこれで会えない。実は今月で辞めることになった。結婚して東京に行くの」彼女とは妙に馬が合い、ジョークと笑いの堪えない間柄だっただけに、私としてはショックだった。人生、何が寂しいって、もう二度と会うことがないということほど辛いものはありませんね。どうぞ、お幸せに。ではまた明日、おやすみなさい。