2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧
1933年 1932年ロンドン・ウォータールー駅に到着 クロフォードさん、ずいぶんと探しましたよ。 例の「大砂塵」の中をね、しかし、凄い土嵐で、何処を見渡しても貴女はいない。 仕方なく帰りますが、もうこうなったら「グランド・ホテル」でお待ちするしかあ…
横溝正史原作『八つ墓村』の映画化は過去3度あるらしいが、私が観たのは野村芳太郎監督、77年製作の松竹版。 戦時中、岡山に疎開していた横溝が地元の人から伝え聞いた過去の大事件をヒントに描かれた作品で、当時は横溝フェアーで映画も本も大ヒット。 犯罪…
10年ほど前だったか、どういう経緯か忘れたが『事故のてんまつ』という本があるのを知った。 著者は『安曇野』で有名な臼井吉見で川端康成の自殺を扱った小説だと聞いて、俄然、古本屋巡りを始め、パソコンを持ってなかった分、足で稼ぐように探した割には比…
Pink Martini (with singer Storm Large) - Amado Mio この曲が好きで、何回も聴いているのだが、実はこの色っぽい女性に対し、下心が出て、密かに巡り合うきっかけを与作中なのだが。 あっ、失礼、模索中だった! しかし、確かこの人は身長180㎝を超えてい…
この平成の御世にこんな本を読んでいる人が居るのかという代物ですね。 本来、販売目的で書かれたわけではない志賀直哉(26)木下利玄(23)山内英夫(21)の道中日記で出發は明治四十一年三月廿六日。 因みに山内英夫とは里見弴のことです。 帰京後、参集し…
双方の主張に食い違いが大きいだけでなく、親方自身の言動にも「?」が幾つもある。 記者会見で貴乃花親方は、旧貴乃花一門など現在無所属の親方11人が旧来の五つの一門いずれかに加入するよう求められた際、有形無形の圧力があったことを最大の理由に挙げた…
岩野泡鳴などと言っても現在はすっかり忘れられいるが、大正の一時期、自然主義派の作家としてそれなりに名の知られた存在だった。 以前、嵐山光三郎さんの著書で始めて氏の存在を識り、その破天荒な生き方や奔放な女性関係に興味を持ち、今に残る『泡鳴五部…
1934年 ジンジャーさん、貴女ほどダンスが上手くて美人の女性は滅多にいるもんじゃありませんが、ひとつ、どうしても納得がいかないことがあるんです。オスカーを手にしたほどの貴女は5回も結婚してみんな失敗だったんですよね。 貴女が演じた『恋愛手帳』に…
まさかゴッホの手紙を読むことになるとは考えてもみなかったが、しかし以前、一度だけ、この大作に挑戦してみようかと思ったことがある。 2001年、みすず書房から出たこれだ! ゴッホ没後100年を記念して1990年にオランダで刊行、翻訳出版されたものだがこれ…
弟テオに送った膨大な手紙は、往復書簡の形を取っていないため、一方的にゴッホのものだけを読んでいるので、どうも話が解りにくい。 ましてや殆んどの登場人物を知らないので尚更だ。 熱意や美術論で押しまくり、南仏アルルを拠点に印象派の工房を作るのが…
《スタンホープ・フォーブス自画像》 《マウントズ湾の釣り》 《一日の仕事の終わり》 (1907年) 《クリスマス・イヴ》(1897年) ブライトン博物館・美術館 《軍需品少女》(1918年) 《ブルターニュの通り》 (1881年) 《ニューリンの風景》 《The Daily Bre…
一般に、本は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 本当ですね、樹海の中に入って出口が分からなくなった時、初めて依存…
「芸術のうちに、神に値いする人間の偉大な資質が含まれないとしたら、それは凡庸陳腐な言葉と化すだろう。人類の最も気高い知彗から生まれた力強い心理や理由さえも、大衆にはなんの理解も印象さえも与えず、芸術家はそれをはっきり示そうと絶えず神の救い…
まあ貴女、本当に綺麗ですね!特に上段の写真なんか貴婦人のようです。そんな貴女が私を棄てて最中公費になるなんて、あっ、失礼、モナコ公妃でしたね。急に雲の上の人になるからビックリしちゃいましたよ。でも、こっそりお会いしたいです、昔のように。例…
政府軍が西郷ら数百人の立て篭もる城山に最後の総攻撃を仕掛けたのは明治10年9月24日午前4時。 既に西郷軍には、この日の総攻撃は通告されており日本史にも類例のみない悲痛な戦いの終焉が近づいていた。 そして戦闘開始、雨あられと銃弾が打ち込まれる中、…
Josh Groban - You Raise Me Up (Official Music Video) 「You Raise Me Up」と聞くと、まずケルティック・ウーマンを連想する人が多いと思うが2003年、私がセレクトしたのはジョシュ・グローバンだった。 確かCSの音楽番組でCMに入った時に僅かだがPVのよう…
自称、神保町系ライターと言うぐらいの古本道の達人、岡崎武志氏に弟子入りした女流作家、角田光代の古本道入門書とでも言ったらいいのか。 師匠の支持の下、神保町、早稲田、荻窪、鎌倉、そしてウルムチ、ウィーン、ブタペスト、ベルリンと古本を求め、その…
いきなり余計な話だが、現代人が明治の小説をなかなか読みこなせないように、如何に明治の文豪と雖も若者言葉を使った平成の小説を完全に理解できるだろうか。 パソコンやスマホが登場する以上、やはり難しいと見るべきだと思うが。 昭和生まれの私には、そ…
Milk'n Blues | IS THERE ANYBODY THERE 恋は燃える火と同じで、絶えずかき立てられていないと持続できない。 だから希望を持ったり不安になったりすることがなくなると、たちまち恋は息絶えるのである。 『ラ・ロシュフコー箴言集』 確かに、そういう意味で…
モーパッサンの経歴についてはまったく無知だが、何でも1870年の普仏戦争に志願して従軍したらしい。 統一前のドイツなので普仏とはプロイセン対フランスのことだが、プロイセン側は鉄血宰相ビスマルクが主導し、フランスはナポレオン三世が陣頭指揮を執った…
ソフィアさん、もうずっと長い間、貴女を探しているんですよ。中学の時にヴィットリオ・デ・シーカの『昨日・今日・明日』を見て以来のことです。 よっぽどマルチェロが好きだったんですか。 イタリア女性はなんと言っても魅力的ですからね。 キツイ眼差しや…
長い天皇家の歴史の中でも壬申の乱を除けばどうだろうか、信長時代の正親町天皇、足利尊氏と戦った後醍醐天皇、幕末の動乱に苦悩した孝明天皇、日清、日露を乗り切った明治天皇、そして天皇制すら危ぶまれ激動の時代を生きた昭和天皇。 しかし、国土が焦土と…
《ポール・シニャック肖像画》 《日曜日》(1888-1890年) 個人蔵 《Cassis, Cap Lombard, Opus 196》 《サン=トロペの港》(1901)国立西洋美術館 《The Bonaventure Pine》 《調和の時代》 《雪のクリシー大通り》(1886年)ミネアポリス美術館 《マルセイユ…
フリーダ・カーロとはラテン・アメリカで最初にルーブルの殿堂入りを果たした画家らしい。 彼女のあまりに壮絶な人生は数ある美術絵画史の悲喜劇を超越して余りある。 本書は20年以上前に書かれたものだが通読した感想は一言で「痛い」に尽きる。 デートの最…
マーク、本当ならこの記事は昨日予定していたんだがね、急遽、変更してしまって悪いことをした。 日本でも昨日は有名女優が亡くなったり、若くして歌姫が引退したりで芸能部門は大騒ぎでね、それにたまたま伊藤野枝と君の命日が同じだというんで悪けど後にま…
明治以降、西郷隆盛を除けば歴史に名を留めた人物の写真は殆ど現存すると思うが、しかし、その歴史上の人物本人が撮った写真というと意外と公表されていない。 私の知る限り有名なところでは徳川慶喜と萩原朔太郎ぐらいだろうか。 慶喜の場合はもっぱら風景…
野枝さん、今日は貴女の命日ですね。 あれから95年も経ったそうですよ。 貴女と一緒に殺害された橘宗一少年ね、あの子、私の父より1歳下なんですよ。 可哀そうなことをしましたね。 子供まで殺すとは、卑しくも帝国軍人のすることではありませんね。 ところ…
勝手に読んでおいて愚痴を言うのもなんだが、まあ今回の本ばかりは疲れた。 特大サイズの単行本で2段組、重たい、字が小さい、長い。 知らないことも多かっただけに、もうぐったりだがやっと開放され一安心。 さてと、ジャンゴ・ラインハルトだが、これまで…
www.youtube.com 先ごろ読んだ村上由佳の『ダブル・ファンタジー』の中に、長年、どうしても思い出せなかった映画のタイトルを見つけてやっと溜飲を下げた。 18年ほど昔に見た映画なのでストーリーは忘れてしまったが、脳裡から離れない場面があったのでタイ…
盲信なのか純粋なのか、短慮なのか思案の果てか、人並み以上の才能に恵まれながら時に見られる芸術家の心中事件。 この小説の主人公、湯浅譲二とは東郷青児のことで、離婚を挟んで繰り広げられる3人の若き女性との恋愛ごっこ。 彼の知名度がそうさせたのか女…