愛に恋

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ムーンライト・セレナーデ 賞味期限のない翻訳

賞味期限のない文学作品は数多くあるが、賞味期限のない翻訳というのはまず存在しない。翻訳というのは、詰まるところ言語技術の問題であり、技術は細部から古びていくものだからだ。不朽の名作というものはあっても、不朽の名訳といういうようなものは原理的に存在しない。どのような翻訳も時代の推移とともに、辞書が古びていくのと同じように、程度の差こそあれ古びていくものである。と村上春樹はいう。同時に翻訳者の質によって少し違ったものになるようだ。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。今日も寝苦しい夜です。おやすみなさい。