愛に恋

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ダメオのアニマル・ラブ Part.28 

「お前の名前『ヤク』とは、厄年のヤクなのか役に立つのヤクなのかどっちなんだ」「決まってるやないか。もちろん役に立つためヤクと名付けられたのさ」「どんな役に立つんだ」「癒しだよ。こうやって傍にいるだけで何かホンワカした気分になるだろ」「そうかな、毎日見てると別にどうってことないけどな」「アホ言え、危害を加えるでなし、毛並みはいいし、連れて歩くだけで主の品格が醸し出されるってのが分からんか」「分からんね。大体ね、草代だけでも大変なんだよ」「そのぐらいケチケチするな」「とくかくさ、ヤクはお前1頭だけでいいから」

ガウォ~、どうじゃ、もう怖いものなしじゃ。これでいいカニ

「ハートのエースが出て来ない、ハートのエースが出て来ないって出て来たじゃないか。それも三つも。ええ、どうしてくれるんだ」「凄いね、ミーちゃん。さすがミー一族の血を引いているだけのことはある」「そうさ、私みたいな猫は滅多にいない。せいぜい高級なエサを出さないと他に行っちゃうからね。キャットフードだけは御免だよ」「分かったわかった。何でもお望みの物を今日から出すから出ていくのは止めてくれ」「それよ、さあ今夜の食事が楽しみだ。そうと決まったら早く買い物に行って来てくれ」「よし、先ず銀行に行って預金を下ろそう」

「よく降るね」「ホント、これで3日続きだよ。いくらアマガエルでもこう降っちゃもたんね」「飲まず食わずというわけじゃないけど、エサが捕れないから敵わん」「どうしよう、もっと大きな葉っぱに移動する」「う~ん、そうだね。それもいいね」「何処にしよう。もう少し北に行くとかなり大きな葉っぱが生えてるけど、そこまで行くのにヘビも出るからね。命懸けだよ」「何とか生き長らえたいから、やっぱりここで我慢しようか」「うん、怖いからね。もう暫くここで様子を見よう」「今日、止まなかったら考えようか」「そうだね」

あれ、ちょっと早すぎたかな。まだ冬は終わってないぞ。寒いじゃないか。それに何んだか重たい。背中に何か乗っているのか。よいしょ、よいしょ。これじゃ歩くにも不便だ。おい、誰だ乗っているのは降りろ、下りろったら。う~んもう。降りろ~~~。

「何さ、ネコなんかお呼びじゃないわよ」「お呼びじゃなわよって美川憲一みたいなこと言ってるけど、ここで何やってんの」「何やっていようと、あたしの勝手でしょ」「そりゃまあ勝手と言われりゃ勝手だけどさ」「早くあっち行ってよ、邪魔だよ」「そう怒るなって」「カラスはね、気が短いのよ。何、そのまんまる目は」「いや、ビックリしたからさ」「分かったからさ、もういいでしょ。カースケが来ないうちにどっか行ってよ」「カースケ!」「あたしの彼氏よ」「あっ、そうか。今からデートか」「煩いわね」「これは失礼しました。お呼びじゃない」

「どうしたの、落ちたの。掴まって、引き上げるから」「あ、ありがとう。優しいんだね、君たちがそんなに優しいなんて知らなかったよ」「僕たちは争いごと好きじゃないし、森の中で静かに生活するのが好きなんだよ。ただ、人間に言いたいのは森の破壊は止めてほしいと、それだけはお願いしたいんだ」「わかった、僕だけが約束してもダメだけど、そういう運動に取り組むよ」「うん、嬉しいよ。さあ、捕まって。よいしょと」

「まあまあ、みんな仲良くやっていこうよ。鳩でもカラスでもいいからさ」「オウムやインコでもいいの」「勿論さ、ひばりでもキツツキでもみんな鳥類じゃないか。これからの世の中は、世界鳥一協会として平和にやっていくのさ」「ムササビはダメかな」「ムササビか、あれは鳥じゃないだろう。でもまあいいや。寄ってらっしゃい見てらっしゃいだ」

「何やってんのよ、ちょっとどいてよ」「痛いいたい、おかあさん~」「どいてあげなさい。今、食べることで忙しいから」「ほら~、どきなさいって」「僕も食べたい」「子供は後でいいのよ」「嫌だ~」「この糞ガキが、どけってばどけ」「ちょっと、あまり乱暴しないでよ」「あんたの躾が悪いのよ。この糞坊主」「分かった、どくよ、どけばいいんでしょ」「初めから大人しくそうすればいいのよ。まったく、しょうもないガキだ」

「よしよし、例え棲家がなくともこうやって抱いていれば暖かいだろ。疲れたな。少し寝なさい。今日はまだ稼ぎが少ないけど私も少し寝るよ。夕方になったら今夜の寝場所を探さないとな。それまでにお金が貯まらないとおまんまの食い上げになっちまう。場所を替えてみるかな、どうしよう。まあ、もう少しここで粘ってみるか」