愛に恋

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中国にある5000フィートの崖

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どうこれ、行ってみたい。

歩ける?

しかしこれ、誰が柵を作ったんだ。

高所恐怖症の私はきっと歩けない。

「おい、触るなって。いいから先に行けよ」

「なにビビッてるんだよ。こんなところでうずくまっていたってどうにもならないじゃないか」

「仕方ないだろ。だから言っただろ。絶対に無理だって」

「だけど、ここでしゃがんでいたってどうにもならないじゃないか」

「やっぱり引き返すよ」

「そりゃ駄目だよ。他の人に迷惑になるから。とにかく進まなくちゃダメなんだって」

「だけど、立てないから歩けないんだよ」

「お前みたいな病気に強い奴がなに言ってんだよ。そら立った立った」

「ゆっくりな、ゆっくり立つよ」

「一緒に行ってやるから、さあ、行くぞ」

「ゆっくりな、ゆっくり歩いてくれよ」

「大丈夫だって、落ちる奴はよっぽどドジな奴なんだよ」

千尋の谷って、ここか」

「そうだ、真っ逆さまだからな」

「しかし、中国人はよく平気でいられるな」

「慣れてるんだよ、こういう危険と隣り合わせなスリルが」

「日本にはこんなとこないよな」

「いいから、話は後で、さっさと歩け」

「降りたら冷やしそうめんが食べたいな」

「ああ、生きていればな」