愛に恋

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ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 村上春樹

村上春樹という人は肉料理が苦手でアルコールもあまりいける口ではないらしい。その点、世界各地を旅する彼にしたら現地での食生活には一段と気を遣うようだ。併し、作家というのはいい職業だ。何処へ行っても仕事ができる。ましてや彼のよう売れっ子なら金の心配はなさそうだし、アメリカを始め、ギリシャで住むこともあったという。奥さんと一緒に旅から旅へ、まったく羨ましい。ラオスにいったい何があるかというタイトルは、ヴェトナム人に「どうしてまたラオスなんかに行くんですか?」と、問われたことが一旦らしい。つまり「ヴェトナムにない、いったい何がラオスにあるんですか?」というニュアンスが読み取れたという。別にラオスに行かなくてもベトナムを見れば十分ということらしい。ラオスメコン川と托鉢の僧侶。国土の面積は日本の3分の2、人口は日本の20分の1、国民の78%が農業に従事している。高層建築やスーパーもなくパーキングもなければ信号もない。GDP鳥取県の経済規模の3分の1。食事もワイルドでリスかネズミかコウモリみたいな物が、串に刺して売っていたというから、私にはとても食べられない。とにかくだ、いつも思うことだが世界を旅するにはまず、胃腸が丈夫でなければいけない。何でも食べれる体じゃないと、つまるところは無理だ。彼は言っている「太田胃散を世界遺産に」という運動をしていると。