愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 『閑吟集』

閑吟集』の中の有名な歌に「何せうぞ、燻んで、一期は夢ぞ、ただ狂へ」(何をしようというのだ、真面目くさって。どうせ人生一期は夢じゃないか、ただ狂え)とあるが、秩序感が崩れた時代にあって、「狂う」とは何かに憑かれたように夢中になること、生命の燃焼を言っており、それは無常観というより積極的なもの、「人生の享楽主義を強烈に主張している」ということだ。『閑吟集』の三分の二は男女関係を歌っているが、倒錯的なものや年長の女性が少年を愛する気持ちを歌ったものなど露骨なものが多い。そうした形で「狂う」ところには、「秩序を乱すことをむしろ喜ぶという精神の姿勢があり」「正統派の和歌では絶対に出てこない主題が歌謡には出てくるという意味で、歌謡を知らずして日本の詩歌を語ることくらいの滑稽なことはない」大岡信は言っている。うふ・・・歌謡を知らずしてか、果たして私は歌謡を知っているのだろうか。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。今日、エンゼルスは大谷の満塁ホームランが出たのに負けてしまった、なんじゃそれ。明日も打ちますように、おやすみなさい。