愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

ダメオのアニマル・ラブ Part.25 

「暖かい、ホント、ここが一番いい場所だ」

「ゴン太、いつまでも伸びてるんじゃないよ」

「伸びてなんかいないよ。この暖かさ、止められないね」

「ゴン太、何してるのさ、そんなところで。いい加減にしなさいよ」

「もう少し休ませてよ。ちょっとだけ仮眠したいんだよ」

「仮眠なら自分の座布団で寝なさいよ」

「ここがいいんだよ」

「ダメ、眩しいから閉めたいんだから。ほら、どいて」

「待って、待って、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ」

「まったくしょうがないわね。ちょっとだけよ」

「グ~」

「ったくドラ猫が」

「出あえ、者ども出あえ」
「ばさ-、何事で御座るか」
「良からぬ者の侵入じゃ。探せ、探してひっ捕らえろ」
「はあ、分かり申した」
「よいか、生け捕りにして余の前に引っ立てろ。よいな」
「御意」

「分かったわかった。もういいよ」
「いや、君が選んでくれたベスト16が集まったんだ。歓迎するよ」
「だからもういいって。汚いきたない。べとべとになるから、もうやめて」
「おーいみんな、囲めかこめ」
「もう解放して。君たちの好意は分かったから」

「さ~てと、朝食も済んだし今日はどうするよ」
「そうだな、何処に行っても寒いし。何処か暖かいところがないかな」
「暖かいところか・・・」
「サッチ、何処か知らないか」
「この辺にそんなところがあるかな」
「ここで1日寝てるのが一番いいんじゃないか」
「退屈だろう」
「うん・・・、と言ってもな」
「・・・」
「また渡辺さんのところに行って頼んでみるか」
「中に入れてくれってか」
「入れてくれるかな」
「いつだったか入れてくれたじゃないか」
「うん、然し、あそこには飼い猫がいるから、それが難しいんだよ」
「そこを何とか頼んでみようよ」

おお~神よ、もっと光を!

「何だこれは。誰がやったんだ。お前だろ。始末書にサインしろ。もうけっしてやりませんと。分かったか!」
「はい、分かりました」

「何なんだ、お前は」
「虐めないでよ、僕は争いごとは好きじゃないんだから」
「然し、小さいな。お前、それでも犬のつもりか」
「もちろん犬だよ。ねえ、だから仲良くしようよ」
「どうかな、一緒に遊ぶにもこんな小柄な犬じゃな」
「大きさは関係ないよ、相性だよ」
「相性ね、合うかな」
「僕は合うと思うけど」
「アウトじゃないのか」
「セーフだよ」
「まあ、ぼちぼちやって行くか」
「お願いしますよ」
Life is much better with a best friend by your side。
あなたの側に親友がいると、人生はずっと良くなります。

「いいかいモリ―、今度やったらただじゃおかないからね」
「違うよママ、僕じゃないって。玉男だよ」
「またそういう嘘をつく。玉男はね、隣のジェシカ叔母さんのところで寝てたんだよ」「ママが見た時は寝てたけど、ママが家に帰って来た時にこっそり抜け出てアジの干物を取ったんだよ」
「モリ―、アジの干物は二匹盗まれたんだよ。玉男にそんな時間はない。お前は昼から何処に行っていたんだ。私が浜に探しに行ってもいなかったじゃないか」
「僕はメリーの小屋に行っていたんだよ」
「減らず口を叩くんじゃない」
「ママ、モリ―のことはいいからお腹空いた」
「あっ、そうだったね、みんなのご飯の時間だ。分かったねモリ―、お前えだけは昼飯抜き」
「ええ、そんな。僕じゃないってば」
「モリ―、もう諦めな。俺のエサを少し分けてやるから」
「本当に悲しいよ」

「先生、ありがとうございました。お陰でこんなに元気になりました」
「良かったよかった。運ばれて来た時はホント、どうなることかと思ったよ。もう殆ど危篤状態だったんだぞ。然し、チームを組んでな6時間の手術で私たちも一生懸命やったからな。君を連れて来たママが、もう泣くわなくわで参ったよ」
「はい、何となく泣く声だけが聞こえていました」
「とにかく暫くは激しい運動はダメだぞ。大人しく家で休んで体力を取り戻すことが一番だ」
「散歩もダメでしょうか」
「散歩はいいが、今までの半分ぐらいの距離にしておけ」
「はい、分かりました」

「何だ、せっかくキャット・ハウスを買ってきたのになぜ入らないんだ」
「・・・」
「入りなさい」
「・・・」
「どうしたんだ、高かったんだぞこれ」
「・・・」
「何とか言いなさい」
「だって」
「だってなんだ」
「怖いんだもん」
「怖い!何が怖い」
「これサメでしょ」
「だから何だ」
「口空いてるし」
「それがどうした」
「中に入ったら食べられちゃう」
「バカ言うんじゃない。いいから、つべこべ言わずにこれからここがお前の家だ」
「嫌だ」
「何が嫌だ、お前の為を思って買って来たんだぞ」
「ここでいい」
「バカを言え、段ボールなんか入ってどうする」