愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

訃報 ジェームス・イングラム

クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子などと言われていたジェームス・イングラムが、昨 日、亡くなったそうな。 リンダ・ロンシュタットとデュエットしたアメリカ物語の主題歌「サムホエア・アウ ト・ゼア」がヒットして30年余、66年の生涯に静かに幕を降ろした…

コーヒーが冷めないうちに 川口俊和

自慢じゃないが読書生活を初めてこの方、涙を堪えることが出来なかった本は、たったの三作品しかない。 敢えて書名は出さないが、先日、最近よく見かけるこの本の帯に目が留まり、 ー4回泣けます☕ とあったので、私の人生で、たったの3回だった泣けたが、何…

都風俗化粧伝 佐山半七丸

文化十年(1813)年に出版された『都風俗化粧伝』という本は上・中・下巻で、当時は大ベストセラーになったとか。 読み方は化粧、“けしょう”ではなく“けわい”と読む。 化粧だけではなく身嗜み全般を教えるもので、つまり立ち振る舞い、外股を治す方法から、…

Mina  ♬ Il cielo in una stanza

あの名高いサンレモ音楽祭はどうなったんだ! もう何十年も、その名を聞いたことがないが。 中学の頃は好んで聴いたいたカンツォーネ。 シャンソンより、日本人には肌が合うと思っていたが、どうもシャンソンを歌う日本人 はいてもカンツォーネを歌う人をあ…

烈士と呼ばれる男 中村彰彦

昭和45年11月25日、学校から帰って来る道すがら、知り合いのお姉さんから突然、生涯忘れることの出来ない一言を投げ掛けられた。 「三島由紀夫が自殺したって、切腹したんだって!」 私の反応は「・・・」 あまりに若い私は三島とは誰なのか知らなかった。 …

羊と牛の隊列

上の写真は羊の群れだろうか。 で、下は牛の仲間か。 確か『ダーウィンが来た』で見たような気がするが名前は忘れた。 しかし、不思議な光景だ。 羊は雪道を歩いているようだが、道らしきものが本当にあるのか。 どうして直線ではなくカーブまで倣って、整然…

総員玉砕せよ!  水木しげる

何でも三島由紀夫は大の漫画好きで『劇画における若者論』の中でこんなことを書いている。 「私は自分の小学生の娘や息子と、少年週刊誌を奪ひ合って読むやうになった」 私とて当然、子供時代はあったわけで、テレビアニメの第一世代たる年齢でもあり、それ…

ミシェル・ルグラン 1932年2月24日 - 2019年1月26日 86歳

昔は、三代といえば明治、大正、昭和と決まって安心していたものが、今や、昭和、平 成、新元号と昭和が押し出される形で先頭になる世が近づいている。 まったく嫌になる。 誰も彼もが年を取るはずだ。 併し、常なる世の移ろいはあれども、私にとっての分岐…

ウドウロク 有働由美子

どうだろうか、NHKの女子アナというのは、何れも品行方正で異性関係に於いても、先ず間違いのあろうはずもなく、看板アナに関しては猶更、そのような粗探しをしたところで無用、人品骨柄、非の打ちどころのない人物なのか、然し、いくらNHK女子アナといって…

ジョルジョ・デ・キリコ 1888年7月10日-1978年11月20日

《ワークショップ付きの形而上学的なインテリア》(1951年) 《通りの神秘と憂愁》(1914年) 《不安を与えるミューズたち》(1916年) 《ヘクトルとアンドロマケ》(1917年) 《マンハッタンの形而上学的インテリア》(1972年) 《帰る幸福》(1915年) 《プリ…

束の間の午後 萩原葉子

表題作の他に『対岸の人』『葉桜』『息子の結婚』『鬼が笑う』計五編の自伝的小説で、かなり生々しい。 言うまでもないが、著者は朔太郎の長女で経歴によると1944年に職場の上司大塚正雄と結婚して1子を儲けたとあるが、この子が朔美になる。 因みに男性。 …

離婚 色川武大

色川武大と阿佐田哲也が同一人物だと知ったのはそんな昔のことではない。 阿佐田哲也は麻雀小説作家として有名で、阿佐田哲也は即ち「朝だ、徹夜」から来ているらしく、その道では著名な作家らしいが、今まで色川武大、阿佐田哲也名義の本は一冊も読んだこと…

スカトロジア―糞尿譚 山田 稔

以前、野坂昭如がテレビ番組でこんなことを言っていた。 友人が駅に向かう途中、逆に駅から出て来た自分好みの美人を見かけ、その美人の後を自宅まで着いて行ったらしい。 そして、玄関で呼び鈴を鳴らし、訪れた経緯を語り、こう言った。 「貴女のおしっこを…

城ヶ島の雨 倍賞千恵子

少し前のことになるが、長い間、私の中でくすぶっていたある大きな疑問が解けた。『城ヶ島の雨』の歌詞にある「利休鼠の雨が降る」とは何のことか? 曲を聴いてもらいたい。 城ヶ島の雨 倍賞千恵子.flv 利休とはおそらく千利休のことだとは思っていたが利休…

一色文庫探訪記

凡そ、1年ぶりに行って来た一色文庫。 私にとっては大阪で天牛書店に次いでNo.2の古本屋なんですが、上本町近くで少し家か ら離れていることと、積読本が溜まっていることもあって足が遠のいていました。 しかし、ご無沙汰も1年は長すぎるとあって昨日参上。…

開脚

ブリジット・バルドー アンジェリーナ・ジョリー シャキーラ レイチェル・ワイズ モニカ・ベルッチ ケイト・ウィンスレット. Camila Cabello ソフィア・ローレン デボラ・ハリー デブラ・ウィンガー シェリル・ラッド マギー・ジレンホール 貴女方はなぜ、そ…

ベルリオーズ回想録 丹治恒次郎訳

先日、ある本の後書きを読んでいたら興味ある書物の存在を知ったので、早速Amazonで調べてみたら第一巻が¥9,795だが第二巻がない。 ではヤフオクはどうかというと、こちらの価格は全2巻で12,000円。 丹治恒次郎翻訳、1981年発行とある。 第1巻が348頁、第2…

ハチ公死す

自分の銅像の横に座るハチ公(昭和9年) ハチ公の命日は昭和10年3月8日、おそらくこれはその日の写真だろう。 昔、一度だけ銅像の前で待ち合わせをしたことがあったが、あれは昭和22年に再建され たものですね。 しかし、日本では猫と言えば漱石、犬と言えば…

倚りかからず 茨木のり子

行方不明の時間 人間には 行方不明の時間が必要です なぜかはわからないけれど そんなふうに囁くものがあるのです 三十分であれ 一時間であれ ポワンと一人 なにものからも離れて うたたねにしろ 瞑想にしろ 不埒なことをいたすにしろ 遠野物語の寒木戸の婆…

七人の侍 昭和29年放映

世に、「鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」と言うが、将にこんなような光景だったのだろう。 この山を馬で駆け降りるのは、相当、熟練した人じゃないと難しい。 野武士たちは一斉に駆け降り、村に攻め入ろうとする場面があるが、あんなシーンが日 本映画で撮…

ゴーギャンの手紙 東 珠樹訳

1895年 何と言っても日記や手紙などは、本人が書いているだけあって第一級資料なのだが、書き送った全ての手紙を読むのはかなり骨が折れる。 現在ではメールやラインなどがあるので、あまり手紙を書くことがなくなったが、仮に書いたとしても、多くて便箋5枚…

1912年4月10日 サウサンプトン港の出航後

タイタニック号がサウサンプトン港の出航したのが1912年4月10日。 4月14日23時40分、見張りが450m前方に高さ20m弱の氷山を肉眼で捕捉。 上の写真はタイタニック号最後の姿で、ボートが写っていることからして出航後間もな いものだと思われる。 まさか沈むは…

命削る性愛の女 阿部定〈事件調書全文〉

この犯罪史上稀な怪事件は、どのように理解したらよいのだろうか。 事件の経緯は全て明らかになっているので、別に今更問題点もないが、やはり定の心理状態だけが腑に落ちない。 仮に、これぞ理想の相手と思しき男性に巡り会ったとする。 相手は家庭持ち。 …

キルスティン・ダンスト 1982年4月30日-

マリー・アントワネット (2006) 2014年5月 キルスティン・ダンストさん、貴女みたいな一見、真面目そうで清純なイメージのある方でもアルコール依存症やうつ病の治療をしているのですか。 分からないものですね! それに男性遍歴もそれなりにあるようですし…

わたしの渡世日記 高峰秀子

高峰秀子が出演した昭和14年の『われ等が教官』という映画の中で、琴を弾く場面があるらしい。 それがため稽古として連れて行かれたのが誰あろう検校、宮城道雄であったという。 少し長いが彼女の文章を引用させてもらって、そのあたりを紹介したい。 ある日…

Carly Simon  ♬You're So Vain

Carly Simon - You're So Vain (Live On The Queen Mary 2) 1971年、古い話ですね! 世はハードロック時代と思いきや、雨後の筍のように、地味に芽を出して来たんのがシ ンガーソングライターというジャンル。 ジェームス・テーラー、アルバート・ハモンド、…

誰がリンドバーグの息子を殺したか ルドヴィック・ケネディ

ジェームズ・スチュワート主演の『翼よ、あれがパリの灯だ』は有名な映画なので観た人も多かろう。 5月21日は「リンドバーグ翼の日」と言われているが、1927年5月20日の早朝7時52分、ニューヨークを飛び発ったスピリット・オブ・セントルイス号は、33時間30…

川瀬巴水 明治16年5月18日-昭和32年11月7日 74歳

《宗右衛門町》(1920) 《大阪道頓堀の朝》(1921年) 《不忍池》(1932年) 《こま形河岸》 《大森ビーチ~》(1930年) いいですね、失われてしまった古き良き日本の伝統と様式美。 昭和の広重、近代風景版画の第一人者でもあるそうです。 心のバランスを…

沖縄県民斯ク戦ヘリ 太田洋三

沖縄の地に初めて足を踏み入れたのは2001年の梅雨時だった。どうしても見ておきたい場所があるので是が非でもという思いで出かけ、飛行場からホテルに直行、チェックイン後に即タクシーに乗り込み。 「どちらまで」「海軍司令部壕へ」 沖縄の海軍司令官だっ…

青春の待合室

昔、「カップル喫茶」というものが流行った時期があった。 まだ未成年だった私は興味深々だがなかなか入ることが出来ない。 しかし、年上の恋人が出来、わざわざ浜松までカップル喫茶目当てに行ったことがあ る。 中は薄暗いが、特別どうということはない。 …