愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Matt Monro - All Of A Sudden

いかに頭脳明晰であれ、自分の恋がいずれ終わることは、 理性では分かっていても、実感できないものだ。 モーム『月と六ペンス』 大方の人は、恋は時と共に原型を留めなくなることを知っている。 ケーリー・グラントには5度の結婚歴があり、61才で駆け落ちし…

絶頂美術館 西岡文彦

そうなんだ! 「すべての芸術はエクスタシーに通じる」 陶酔、恍惚、艶、やはり芸術にはエロチシズムの妙なる調べが流れている。 何につけ絶頂感とは達成感と同義語だから作品も、その極みに達したとき芸術も一層輝く。 しかしながら芸術の世界では、そのエ…

ヴィヴィアン・リー 1913年11月5日 - 1967年7月8日 (53歳)

ヴィヴィアン・リーさん、敢えてヴィヴィアンと呼ばせてもらいます。聞きましたよ、貴女の情熱。オリビエの家に押し掛けて、奥さんにオリビエのあらゆる好みを聞いたそうじゃありませんか。よほど、オリビエの演技に惚れ込んだようですね。そして、見事、オ…

マラーを殺した女 安達正勝

副題として『暗殺の天使シャルロット・コルデ』というタイトルがある。 端的に言えばこの絵が全てを象徴している。 ジャック=ルイ・ダヴィッド作『マラーの死』 殺害されているのはマラでもマーラーでもない。 フランス革命の指導者ジャン=ポール・マラー…

古賀春江 1895年6月18日-1933年9月10日 (38歳)

そこに在る 《窓外の化粧》(1930年) 神奈川県立近代美術館 どのような思考からこのような想像が生まれるのか。 昭和7年にはこんなことを言っている。 人間に顔や肉体がなかったら、どんなに気持が晴々するだらう。私自身人々の眼の前にえたいの知れない顔…

随感録 濱口 雄幸

『随感録』の随感とは感じたままという意味。 『濱口雄幸遺稿集』として発売されたもので、 濱口雄幸(おさち)は昭和初期の総理大臣だが、昭和5年11月14日、昭和天皇行幸付添いのため東京駅現10番線ホームを歩いていたところを狙撃された悲運の人。 この本…

Fly Me To The Moon  Emil Ernebro and Zandra

うろ覚えで申し訳ないが、中村八大だったか永六輔だったか、ジャズのスタンダードナンバーの作曲者なんて誰も知らないよと言っていたと思う。 僕たちはそういう曲を作りたいんだとも。 つまり、歌は誰でも知っているが作詞・作曲者は誰も分からないとしたい…

佐伯祐三 哀愁の巴里 白矢勝一 吉留邦治

佐伯祐三絵画の真贋論争? 聞いたことないな。 いや、ただ私が知らないだけの話しだが。 ならばということで早速古本屋へ。 見つけたはいいが、何やら小難しそうな本。 本題に入る前に疑問点が二つ! 大正9年9月1日、祐三の父祐哲が58歳で死去。 死の直前、…

ロミー・シュナイダー 1938年9月23日-1982年5月29日 (43歳)

ロミー・シュナイダーさん、人は貴女のことをシシーと呼びますが、なるほど、確かに貴女はプリンセス・シシーの名に相応しい女性だと思います。 どことなくミステリアスで意志が強く、妖艶な雰囲気を醸し出す貴女に惚れた男性も少なからずいると思います。 …

菊池寛急逝の夜 菊池夏樹

菊池寛の『真珠夫人』が突然20万部を超えるほど売れ出したのは平成14年。 大正9年に新聞連載された小説が、数十年の時を経って、これほど売れるとは異常現象といっていい。 しかし、これがまた面白い。 続けて発売された『貞操問答』『無憂華夫人』と読んで…

ヘンリー・ウォリス 1830年2月21日-1916年12月20日 (86歳) 

《チャタートン》1856年 17歳で貧窮のため砒素を飲んで自殺した詩人トマス・チャタートン。 モデルは、当時28歳だった小説家ジョージ・メレディス。 2年後、ウォリスはメレディスの妻と駆け落ち。 《シェイクルピアが生まれた部屋》1853年 自殺した詩人とモ…

永井荷風 ひとり暮らし 松本哉

「永井荷風を知ってしまった人は幸なのか不幸なのか、ある程度の年齢に達しないとわからない珍味の一つである」 と、著者は言っている。 「作品よりも荷風という人間が面白いのだ」 なるほど! 「四十を過ぎたら荷風にはまりこむという噂は本当だった」 と、…

Black Orpheus

Black Orpheus / Manhã de Carnaval - Anna Salleh and friends - www.annasalleh.com 人生を大切に思うと言われるのか それならば、時間をむだ使いなさらぬがよろしい 時間こそ、人生を形作る材料なのだから 『フランクリン自伝』 本当ですね! 人生、生涯…

ブルガリア 不正疑惑追及の女性ジャーナリスト殺害

世界中のジャーナリストが憤ってる! 即刻逮捕してください。 こんなことは断然許せない、それも日中の犯罪だと聞く。 司法の場に引きずり出して断罪されることを切に願う。

徳島ラジオ商殺し事件 渡辺倍夫

徳島ラジオ商殺し事件、何か聞いたことがあるような、ないような。 とにかく知らないことは一度読んでみようと思い、心に止めておいたところ、偶然にもブックオフで見つけて購入。 事件が起きたのは昭和28年11月5日午前5時頃というから、私はまだ生まれてな…

ラナ・ターナー 1921年2月8日 -1995年6月29日 (74歳)

ラナさん、かれこれ40年ぐらい、貴女を探していますが、どうしても巡り合うことが出来ません。 どうしたら、いいのでしょうか。 聞くところによると、何でも貴女は8回も結婚したとか。 確かに貴女ほどの美人なら、それも頷けます。 もう、この世のものとは思…

江戸の下半身事情 永井義男

サザンに『BOHBO No.5』という曲があるが、これはキューバのペレス・プラードが作った『マンボNo5』を真似たものだろう。 ここで言う「BOHBO」とは、即ち「ぼぼ」のことを意味していると思うが、具体的に言うならば女性のアレの部分を指している。 方言と思…

アウグスト・マッケ  1887年1月3日 - 1914年9月26日

《アウグスト・マッケ自画像》1887年1月3日-1914年9月26日 (27歳) 《Street with church in Kandern》 《妻の肖像》(1909年) ミュンスター美術館 《牛とラクダのいる風景》(1914) 《ロシア・バレエ(I)、1912年 《バージの中の3人の女の子》 《Tightrope w…

知られざる「吉田松陰伝」-『宝島』のスティ-ヴンスンがなぜ? よしだみどり

安政元年(1854)3月28日午前2時、吉田松陰とその従者、金子重輔はペリー艦隊の旗艦に小舟で接近、密航を企てたが甲板からは船員の、 「船から離れろ」 という支持。 二人は諦めず、舷側の梯子にしがみ付くが、船員らは上から長い棒で舟を突付き荷物と太刀を…

訃報 モンセラート・カバリエ

Montserrat Caballé - O mio babbino caro スペインの世界的なオペラ歌手、以前から太りすぎではと心配していたが、今日、お亡くなりになったとか。 それでも85才の長寿を全うしたのだから、一概に肥満が命を縮めるわけではないのだろうか。 ご冥福をお祈り…

グランデギャラリー

これは現在のルーブル・グランド・ギャラリー。 しかし1940年、迫るドイツ軍のため引っ越しを余儀なくされた。 その結果がこの状態。 しかし、日本のように絨毯爆撃されていたら ユベール・ロベールが描いたようなことになっていたかも知れない。 フェルメー…

漱石の長襦袢 半藤末利子

安々となまこの如き子を生めり 「安々と」とは、妻が一度流産した経験があったので、今回は安産だったと言う意味だろう。 名は筆子と漱石が名付けた。 妻の鏡子が非常な悪筆で、少しでも字の上手な子になるようにとの願いから命名、その第一子、筆子の娘が著…

Suzy's Parker The Beatles

49年前の今頃、アルバム『アビーロード』のレコーディングは終わろうとしていたのだろうか。前作『レット・イット・ビー』は未完成のままで再結集して全精力を注いだ、世紀の傑作『アビーロード』は確かに素晴らしい。しかし、ビートルズ・ファンの私として…

ビリー・ホリデイと『奇妙な果実』 デーヴィッド・マーゴリック

ビリー・ホリデイには有名な『奇妙な果実』という自伝があるが、この本はそれとは別物。 一貫して主題となっているのは彼女が歌詞をほんとうに理解して歌っていたかという問題。 よく知られているように、この歌は南部で頻繁に起きていた黒人のリンチを取り…

エドワード・G・ロビンソンとタンギー爺さん

エドワードさん、貴方は絵画収集家として有名でしたが、なんと1950年当時、ゴッホのタンギー爺さんは貴方の家にあったんですね!驚きました、いったいいくらで購入して、いくらで手放したのか知りたいです。というか、慰謝料捻出の時、この絵も売却したんで…

絞首台からのレポート ユリウス・フチーク

最近まで知らなかったが、著者、ユリウス・フチークという人はチェコでは英雄的な存在だとか。 本書も世界80カ国で翻訳され版を重ねる名著らしいが、嘗て一度もチェコ文学に接したことのない私は、重い腰を上げ読破に向け挑戦したはいいが、あまりの訳注の多…

イライラ

「いったい、何をしているんだ」 「待たせるな、も~う」 「飯はまだか。子供を抱えた私の身にもなってみろ」 「腹が減っては異種格闘技も出来ない」

星々の舟 村山由佳

第129回(平成15年度上半期) 直木賞受賞 。 誰だったか、辻の角に一日座っていれば、何かしら物語が浮かぶ、というような大正時代の作家がいたと思うが、要求される観察力と、心理を掘り下げる洞察力は文学では大事なことかと思うが著者は、 「何のために」…

シャルル・アズナヴールの訃報

エディット・ピアフという人は本当に若い才能を見出すのに長けた女性だった。 イヴ・モンタン、ジルベール・ベコー、ジョルジュ・ムスタキ、そしてシャルル・アズナブール。 昨夜、そのアズナブールの訃報を聞いて意外に思った。 おかしいな、先日、来日公演…

銀河鉄道の夜 宮沢賢治

宮沢賢治を知らなかった小学5年の頃、藤城清治さんが描かれた「銀河鉄道の夜」の影絵を見て以来、強い印象を心に植え付けられ、もし銀河鉄道に乗れたならどれだけ素晴らしいかと、胸ときめかせていた時代が懐かしい。宮沢賢治に関しては、文芸評論・評伝・伝…