昔、笑点の初代司会者は三波伸介だったが、南が幼い時分から憧れ続けた、日本の喜劇王、エノケンこと榎本健一が昭和四十五年にこの世を去った。エノケン以外にも、古川ロッパ(三十六年)、八波むと志(三十九年)、シキミンこと清水金一(四十一年)、堺俊二(四十三年)、森川信(四十七年)、柳家金語楼(四十七年)と多くの喜劇人が幽明境を異にしている。当時、残ったのは森繁久彌、伴淳三郎、三木のり平、由利徹、藤山寛美、渥美清などであった。しかし現在となっては全員が故人となった。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。どんどん亡くなっていく先輩がたのご冥福を、ただひたすら祈るばかりである。