愛に恋

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ダメオのアニマル・ラブ Part.46

「♪すきすきすきすきすきすき、一休~さんって、朝からベタベタし過ぎじゃないの」「そんなことないでしょ」「いや、毎日毎日朝からこんなベタベタしなくていいよ」「何言ってんのよアナタ、若いうちからベタベタしなくてどうするの。年をとったらみんなしなくなるんだから」「だけど僕たち異種類なんだからね、もし誰かに見られたら恥ずかしいよ」「そんなの関係ないわよ、人間社会だっていまいろいろなカップルが誕生しているっていうじゃない」「そうなの」「そうよ、私達みたいな珍しいカップルが誕生したっておかしくない世の中になったの」

ぞうさん ぞうさんおはなが ながいのねそうよ かあさんもながいのよって知ってるか」「知らない」「お前も大きくなったら象使いにならなくちゃいけないから、小さいうちから象さんと仲良くしなくちゃいけないんだぞ」「でも、なんだか怖い」「怖くなんかないさ、ちょっと触ってみなさい」「いや」「ダメだよ、今からそんなこと言ってちゃ」「でも、噛みつくかもしれないし」「噛みつかないって、もう少ししたら一緒に背中にのって散歩の練習もするからね」「散歩にいくの、何処へ行くの」「川まで行って、象に水遊びをさせるのさ」「分かった」

「弁当持って来た?」「持って来たよ」「水は」「持って来たよ」「今日はかなり歩くけど大丈夫!」「それは私の言う台詞よ、アナタこそ大丈夫なの」「途中、休憩しながら行けば大丈夫だよ」「よし、行くよ」「OK」「取り合えず湖畔まで行くよ」「うん」

「誰なんだ、ネコは炬燵で丸くなるなんて言ってる奴は」「いや、昔から日本ではそう歌われているんですけど」「ちぇ、そんな田舎臭い歌をいつまでも歌ってるんじゃないよ。ここロサンゼルス・ドジャース近辺の温暖化地方のネコは、こうやってあお向けで寝るのがトレンディなのさ。そうすれば猫背が治ってピシッとするだろ。そると俺さまみたいに持ってモテのネコになって、どうだ、この辺りの雌ネコはみんな俺に首ったけになって、今や遅しと散歩に出るを待ち構えて、何処かにしけこもうという寸法さ。猫の中のネコとは俺さまのことよ」

「私たちどういう関係なの」「さあ」「さあって、みんなが不思議がってるわよ」「世間の噂なんかどうでもいいよ」「そんなことはないわよ、けっこう大事なことよ」「世間は世間」「そうかな・・・」「愛があれば噂なんかどうでもいいってことさ」「私たちの愛は不変なの」「普遍さ、決まってるじゃないか。僕たちの将来はどこまでもバラ色だよ」「えらい自信だわね」「君とならうまくやっていけると確信してるからね」「分かった、そこまで言うなら私も腹を括るわ」「よく言ってくれた、僕たちの愛は永遠だよ」「嬉しいわ」「どこまでも一緒さ」

「あっれ~、どうしたの!」「どうしたのって?」「君、ヒョウ柄じゃん」「ヒョウ柄?」「ネコ科の動物だよ」「知らない」「知らないってアンタ、犬でしょ」「そうだよ」「そうだよって、おかしな犬だね」「言ってることがさっぱり解らないよ」「どうして分からないの。犬の癖にヒョウ柄だからよ、こんな犬、普通いないよ」「普通いなくたって、僕は犬に違いないんだからね」「しかし、変わった犬だ」「全然変わってないよ、犬は犬で生まれた時からこの模様だからしょうがないよ」「ふん・・・」「といかく体の模様を代えることは出来ないからね」

「スヤスヤ」「プゥ~、プゥ~」「ス~、ス~」

「なにやってんだ、何なんだこのありさまは」「だって・・・」「だってなんだ」「だって帰りが遅いんだもん」「仕方ないじゃないか、仕事なんだから」「仕方ないって今日はいつもより遅いよ」「残業なんだよ」「残業、残業って、そっちはいいかもしれないけど、僕はお腹ペコペコなんだからね。少しは考えてほしいな」「だからドックフード置いてあるよ」「あんなもん、お昼で全部平らげて足りないよ」「お前は少し食いすぎるぞ」「しょうがないさ、いつまでも子供じゃないんだから」「じゃあ何か、倍の量を置いとけということか」「そういうこと」「食費代がかさんで家計を圧迫するよ」「いいじゃないさ、僕たち二人暮しなんだから」「ったくもう、もう二度とこんなことするなよ」「食事の量次第さ」「・・・」

「エイ」「ヤァ」「ター」「ホー」「ソレ」「ヨシ」「オー」
 
「花子~~、御免ごめん、だいぶ遅れちゃったね。何か奢るから飲みに行こ。