愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

ダメオのアニマル・ラブ Part.44

「あっ、ちょっと待ってよ。いま起きたばかりでもう喰われるの」「なに言ってんだ、こっちは起きたら直ぐ朝食の時間なんだからね。待ってられない」「僕みたいな大きな魚では喉を通らないって」「通るとおる、もう諦めな」「嫌だいやだ、逃がしてよ」「ダメダメ」「いやいや」「よし、咥えるぞ」「嫌だ~~~、助けて」

「さあ、冬支度、冬支度。今年の夏は暑く長かったから、冬はどうなるんだ。とにかく家族も増えたことだし去年より沢山集めないと。ああ、忙しい忙しい、猫の手も借りたいだ」

「シンディ、分かるだろ。3年越しの恋なんだ、僕と夫婦(めおと)になって欲しいんだ」「アナタにはどうしても私が必要なのね」「そうなんだよ。僕は病気がちだろ、あまり健康ではなくて申し訳ないんだけど、君しかいないんだよ」「・・・、解ったは、アナタのソバってずっと面倒みるわ」「良かった、それを期待して新しく巣を作ってたんだ」「ほんと、それは嬉しいわ、私の巣の巣は雨漏りがしてどうしようかと思っていたのよ」「良かったら今日から来ないか」「そうしようかしら、このまま行ってもいいの」「いいよ、じゃ行こうか」「うん」

「どうした、その顔は」「どうもしないよ」「真っ黒じゃないか」「だから、どうもしないって」「じゃなんで顔が黒いんだ」「別に、こういう顔なんだよ」「日焼けしたんじゃないのか」「違うってば」「そうか、まさか火傷したんじゃないだろうな」「だから違うってば」「だけど体は白いのに顔だけ黒いんだぞ」「生まれつきなんだよ」「生まれつき!」「そうだよ、生まれつきだよ」「白黒抹茶、小豆珈琲柚子桜ってなわけか」「どうでもいいけど、洗っても取れないからね」「そうなのか、とにかく君は今日からここで住むんだからな」「そうなのか」

「えっ、なにこれ」「なに」「なに」「なに」「なに」「なにか見えるの」「なんだろう」「見られてるの」「分からない」「なんか自分の顔が見えるよ」「ええ、おかしい」「おい、見られてるんだよ」「嫌だな」「何なんだろう」「ホントだ、辛亥革命だ」「何だって」

「おお寒い、寒くなってきたな。チェルシーの奴、こんなお洒落な恰好できたら驚くかな。僕としてもこれ以上ないというファッションなんだ。どうだろう、自分でもイケてると思ってっるんだけど。さあ、早くしないと遅れちゃう」

「ママ、パパはどこへ行ったの」「パパのことは忘れなさいと言ったでしょ」「でも、パパが居ないと淋しいよ」「だからその分ママが一生懸命やるから」「ママ一人で大丈夫なの」「何が」「毎日の僕の世話だよ」「あたりまえじゃないのよ、アナタは私の子供なんだから親は誰でも一生懸命頑張って子供の面倒見るものよ」「僕、ままが張り切り過ぎて病気にならないか心配」「大丈夫だったら、私はまだ若いから、お前ひとりぐらい何とでもなるわよ」「ならいいけど」「それはいいけど隣の万太郎君とは喧嘩しsずに仲良くするんだよ」「うん、分かった」

「寒くなってきたからな。引っ付いて寝ようね」「うん、背中がぽかぽかで暖かいよ」「私もお腹がぽかぽか」「仲良しだね僕たち」「うん、ジミーのことが大好きだからね」「僕もサリーのことが大好きさ」

「重たい早く」「マギー、これ僕からのプレゼント。受け取ってくれる?」「ジミー、アナタってそこまで私のことが好きなの!」「もちろんだよ、この森じゃ君ほどの美人はいないからね。前から言ってるじゃないか」「重たいって、早くしてくれよ」「ねえ、いいだろ、僕と付き合ってほしいのさ」「分かったは、今日こそアナタの気持ちが分かったから、お付き合いしましょ」「本当かい」「それなら早く下りろって」「ありがとうトム。よいしょっと」「僕は将来的には君と結婚したいと思ってるんだ」「そこまで考えてるの」「いろいろ将来設計もあるよ」「聞きたいわ」「さあ、僕の巣に案内するよ」「ホント、じゃ行きましょ」

あれ、ライオンじゃなかったっけ。ネコでもいいの!