愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

ダメオのアニマル・ラブ Part.34 

「う~ん、ウサギというのはみんな白だとばかり思っていたけど、そうじゃないの」「違うよ、ウサギは5色」「へ~え、そうなんだ。知らなかったけど、あまり見ないな」「ちゃんとここにいるじゃないさ」「う~ん、確かにそうだけど珍しいよ。君たち兄弟なの」「そうだよ兄弟だよ」「偶然、5色で生まれたわけ」「そうらしいけど、その辺はお母さんに訊いて」「パパママもビックリしたんじゃないのかな」「でもお互いが違うことで、それぞれ覚えやすいよ」「それは言えてるな」「どう、綺麗でしょ」「ホント、珍しい兄弟で綺麗だよ」

「おい、何のつもりだ」「なにが!」「何がじゃないよ、蜂になるつもりか」「なんで蜂なの」「見て視ろよ、後ろの絵柄。蜂なんだぞ」「あっそうなの。カッコいい」「何がカッコいいだ。出ろでろ」「いや、これ気に入ったから捨てないでね」「あんまりふざけたことばかりしてると、みなしごハッチにしてしまうぞ」「みなしごは困るけど、なんか顔が合ってるね」「何言ってるんだ、早く出ろ」「出るよ」「お前、似合いすぎなんだよ」「やっぱり」

「朝ごはん何」「メザシ」「違うな」「サンマ」「違う」「マグロ」「違うな」「じゃあ何よ」「今から買いにいくところだ」「え~~~~、そんなバカな」「何と言おうとない無いものはない」「今から買いに行くって、いつ帰って来るの」「分からないけどなるべく早く帰ってくるよ」「そんな、お腹ペコペコ」「待ってろ、行ってくるから」「納豆が残っているからそれでも食べるか」「いらな~~~い」「行くぞ」「早く帰ってきてね」「はいはい」

「最高のベッドだね」「暖かいだろ」「うん、羽毛布団みたい」「何言ってるんだ。犬毛布団と呼んでほしいな」「これから毎日ここで寝ていいの」「いいよ」「重たくない」「重たくなんてないさ。君みたいなちっちゃな猫じゃ」「良かった、ママと離れてやっと自分の居場所が出来たよ」「これからは親子のように生活していけばいいからね」「うん、ありがとう」「その代わり、お乳は出ないよ」「もう、お乳は要らないよ、キャットフードを食べるから」「それなら安心だ。さあ寝よう」「うん、おやすみなさい」「おやすみ」

「幸ちゃんは何食べるの」「玉子焼きがないかなと思ってね。タマ子はなにする」「私は何か魚があるかなと思って」「魚ね、あるかな。ちょっと待ってね」「でも魚の匂いがするけど」「ええ、そんな匂いするの」「うん、マグロかな」「マグロね・・・」「奥の方にないかな」「うん・・・」「調べてみて」「あんまりごちゃごちゃにするとママに怒られるからね」「あの赤いのそうじゃない」「あれはプチトマトだよ」「そうか」「あっ、これか。刺身だよ」「それダメかな」「これ食べちゃうと怒られそうな気がするけど」「一つだけ」「一つだけだよ」

「ヨーちゃん、どうして僕はこんなにも君のことを好きになってしまったんだろう」「あたりまえよ、私の美貌に惚れないオスなんかいるはずないわよ」「そうだよね。しかしよく僕を選んでくれたね」「今まで会ったオスの中ではアナタが一番優しかったからよ。特にお年寄りにはね。それを見ていて、私が探していたネコはアナタだと思ったのよ」「いや、普通であたりまえのことをしているだけだよ」「そのあたりまえのことが中々出来ないのよ」「まあ、そう言ってくれると嬉しいけど」「そうよ、だから私たちはこれからどこまでも一緒よ」「良かった」

「お前たち、大きくなったらこうやってエラを張ればいいからね。そしたら首から下は濡れないから安心なんだよ」「ホントだ。だけどママ、カエルは池で泳いだりするんでしょ」「だから何よ」「そしたら別に濡れることなんか心配しなくてもいいのじゃないの」「煩い、黙ってママの言うことを覚えておけばいいの。将来、何かと役に立つことが」あるから」「そうなの。どんな役」「どんな!」「そう例えば濡れなくてもいいというのはどういう時」「見て分からないの。今じゃないのさ」「今?」「そう、今だよ」「ぜんぜん分かんない」「そのうち解るさ」

「どうする、そろそろ朝食にする」「まだいいわよ、もう少しこうしていましょうよ」「だけど・・・」「だけど何よ」「うん、あんまりデレデレしてるとまたママに怒られそうだからね」「大丈夫よ、今ママは洗濯中だから」「だけど、まだ食べてないということが分かったら、また取り上げられちゃうよ」「うんん、いいのもう少しこうしていたいの」「もうマギーったら、食べてからまたここに来たらいいじゃないか」「それはまたそれ、今は今よ」「何、まだ食べてないの。いい加減にしなさい。要らないの」「ほら、いま食べに行くから」「ごめんなさい」

「扨てと、今日から君は我が家の家族だからな」「家族!」「そうだ家族だ」「家族って何」「家に来て今日からみんなと一緒に住むんだよ。みんな君を待ってるからな」「みんなが待ってる?」「家には私と妻、それに娘と息子の4人暮らしなんだ。そして今日から君も仲間入りというわけさ。みんな優しいから安心してよ。今まで入れられていたケージなんかより遥かに広いから楽しいぞ」「それは嬉しいけど、運ぶ時は猫専用のカゴあるはずだけど」「しょうがないよ、店員がこれしかないと言うからさ」「初めから買って迎えに来てよ」「そうか、そうだな」

君は何もの! イノシシなの? 何か変だよね。