愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 『背負い小間物屋』

落語のまくらに『背負い小間物屋』というのがある。小型の箱を背負って行商に行くのだが、人間のたけりまである小間物屋という句が出来るほど何でも屋だったのか。「たけり」というのは男性の陽物で、その形をしたものを持ってくる。これを張り形と言って、いろいろなものがあるそうだ。主にご婦人が使うそうで、かの元へかの品そえて小間物屋。長いのは流行りませんと小間物屋。越前は一本もない小間物屋。小間物屋にょきにょきにょきと出して見せ。生きもののように扱う小間物屋。なんていう句もある。ご婦人が使うような品を取りそろえて行商に歩くというのが、背負い小間物屋ということになるらしい。江戸の昔は性に対して寛容だったといっても、いまでいうセールスマンが家まで来て売るのだからね、いくらなんでも主人や家族が留守じゃないとね。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。三島由紀夫川端康成といった著名な作家たちに愛されたことで知られる「山の上ホテル」が、来年2月13日から全館で休業する。休館の理由について「竣工から86年を迎える建物の老朽化への対応を検討するため」としている。取り壊しになるんだろうか。おやすみなさい、また明日。