愛に恋

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「ムーンライト・セレナーデ」 抽象画家

カンディンスキーのような完全抽象といわれる人でも、彼が生きて呼吸をしている人間である以上、純粋に形だけが出て来るとは考えられない。やっぱり、彼が生きて呼吸をしている空間、食べている物とか、生活環境とかを含めたうえで、抽象的な形が出て来るのです。こうした物と形の戦い、これが抽象画家の宿命です。だから物の属性に引っ張られてしまって、自分の形を見失うこともあるでしょうし、自分の形が独断的に非常に大胆に出て、本来の物の形を歪める場合もあるでしょう。そのバランスを保つことによって、抽象画家の形は成り立っていると思うのです。しかし、そういう抽象画家の描く形が、現実の空間に、具体的な物としてあるかというと、これはないわけです。目に見えない、ないものを彼は探しているわけです。何度か登場願った抽象画家のカンディンスキー、凡人には掴み切れない天才とは思いつつも、こんな解説では更に把握できない。「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。明日は10時から睡眠科、11時半から内科で心筋梗塞なお薬など貰って検診、3時半から歯医者とおおわらわ。おやすみなさい、また明日。