愛に恋

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レベッカ(下)ダフネ・デュ・モーリア

下巻は俄然面白くなる。『レベッカ』は欧米で20世紀ゴシック・ロマンの金字塔であるという評価が定着しているらしいが、本当にそのとおりだ。これほどの海外文学には滅多にお目に掛かれない。完璧なストーリーにして傑作中の傑作だろう。ヒッチコックが映画化したい気持ちもよく分かる。本作は1940年のアカデミー賞最優秀作品賞にも輝き、ラストはどう展開されるのか、はらはらどきどきの結末を前に読み終わるのが惜しい気持ちになる完璧な小説だ。作者は女性だが性に対してこんな表現をしている。「タイヤとは違うんだ。すり減るってことはない。使えば使うほど性能はあがる。」曰く、名言だ。