愛に恋

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有職読み

有職読み(ゆうそくよみ)と読む。
日本に於いて古来からの慣例に従い、漢字で書かれた語を特別な読み方で読むこととされるが、どうもよく解らない。
例えば、
 
藤原定家は一般的に「ていか」と読む。
つまり、諱だけは音読みで発音しているわけだが、本来の正式な呼び名ではなく、「さだいえ」が正しいとされる。
では音読みで発音されればみな有職読みなのかと言われれば、そうでもない。
何を基準にして有職読みと見ればいいのか、そこが悩ましく解らない。
こうなってくると人名が多々浮かんでくる。
 
有名なところで木戸孝允
「こういん」と音読で発音するが、実際は「たかよし」が正しい。
徳川慶喜などは当然のこと「よしのぶ」と思うが、時に「けいき」と読む人が居る。
黒柳徹子がそうだ。
 
難しいのは児島惟謙や谷干城だろう。
児島惟謙は「これかた」と読んでいるが正しくは「いけん」。
谷干城「かんじょう」と読む人もいるが正しくは「たてき」と読む。
いよいよ難しい。
学者に多いのは伊藤博文「はくぶん」と読む人。
それでいて判然としないのが「ひろふみ」なのか「ひろぶみ」なのか。
 
末松謙澄はどうか。
普通は「けんちょ」と読む、然し「のりずみ」が正解。
原敬は勿論、「たかし」が正しいが、やっぱり「はらけい」と読んでしまう。
濱口雄幸を今の時代、「ゆうこう」なんて呼ぶ人がいるだろうか。
当然、「おさち」が正しい。
柳 宗悦、これは難しい。
この茶人みたいな名前は「そうえつ」と読みたいところだが正しくは「むねよし」になる。
 
では、大野伴睦はどうか。
一般的には「ばんぼく」だろう。
しかしこれも「ともちか」が正しいとか。
間違っても友近ではない。
画家の黒田清輝「きよてる」と発音すると思っていたが実際は「せいき」。
これは同郷の黒田清隆「きよたか」と読むので紛らわしい。
菊池寛「かん」も間違っている。
では、佐久間象山は何と読む。
「しょうざん」なのか「ぞうざん」か?
まったく日本語はややこしい。
 
朝廷の役職名に武家伝奏というものがあるが、これは「でんそう」では濁音になるので「てんそう」が正しい。
 
最後に何故、平塚らいてう平塚雷鳥と書くのか?
本名は平塚 明と男みたいな名前だが昭は「はる」と読ませる。
縷々述べてきたが、なるべくなら音読み、訓読みと両論併記覚えるのが一番だと思って日々、精進する小生なり。