1945年7月、ドイツの戦後処理問題などを話し合うため、廃墟となったベルリン郊外のポツダムで開かれた連合国首脳会議で、イギリスの外相アーネスト・へヴィンはこんなことを言っている。
(外相アーネスト・へヴィン)
先の大戦「第一次世界大戦」後に、ドイツ皇帝の体制を崩壊させなかったほうが、我々にとってはよかったと思う。ドイツ人を立憲君主制の方向に指導したほうがずっとよかったのだ。彼らから象徴を奪い去ってしまったがために、ヒトラーのような男をのさばらせる心理的門戸を開いてしまったのであるから。
そもそも、この発言は、崩壊寸前にあった日本の「天皇制を戦後に廃止すべきか」という、アメリカ海軍長官フォレスタルの質問に応じて答えたもので、こうした考えはへヴィンひとりに限られたもではなく、マッカーサーやコート二ー・ホイットニーといった共和制アメリカの首脳部も同じで、民主的な天皇制を新たに構築することを基本にすえていた。
故に今日の令和元年をめでたく迎えることが出来たわけだ。