愛に恋

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「ヒトラーに傾倒した男〜A級戦犯・大島浩の告白〜」

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今日は終戦記念日ということで一言。

私はニュース番組は毎日欠かさず見るが、新聞はというと毎日読んでいるわけではない。

然し昨日、たまたま新聞を読むに、そうか、今日は土曜日なのでいつも見ている報道番組は休みかと、ならば他に面白そうなものはないかと、つらつら見ていくと、BSNHKで夜10時からヒトラーに傾倒した男〜A級戦犯大島浩の告白〜」というのを見つけ、目が点になった。

大島浩を特集するなんて聞いたことがない。

今となっては無名なこの人物を採り上げるなんて。

我が家にある大島関連の書物は、昔読んだ『臣下の大戦』が1冊あるのみで、書籍として発売されることは先ずない人物だけに、これは忘れずに見なければと録画しながら、貴重な、殆ど未公開の大島の映像など見ながら、何が言われているのか感慨深く拝見した。

先ず、私の知る限りの大島とは、元陸軍中将、ドイツ大使館付き武官。後のドイツ大使。

戦後、極東国際軍事裁判A級戦犯として終身刑。

然し、昭和30年に出所して、その後は神奈川県茅ケ崎にて妻と共に余生を過ごす。

と、この程度なのだが、戦後、一貫して何も語らなかった大島には120分に渡る記録テープが残っていることが分かり、この程公開されたというわけだ。

生前、大島は絶対公開してくれるなという条件で、インタビューに応じたものを、大島の死後、貴重なものだから是非公開してもらいたいという婦人の意向を踏まえて、この度の公開と相成ったが、それにしても婦人の許可が下りてから数十年経っている。

テープの中で大島は日独伊三国同盟を提案してのは私ですとハッキリ言っている。

大島は流暢にドイツ語を操り、人を信用しないヒトラーが唯一信用が置ける人物として大島とは懇意のなかだったとか。

特にリッベントロップ外相とは仲が良く、次第にゲッペルスヒムラーなど、ナチ高官にも重要視される人物にのし上がり、ほぼヨーロッパ全土を掌中に収めたドイツの大使とあって、当時、ヨーロッパに赴任していた大使、公使に対し絶大な権勢を奮っていたらしい。

大島に逆らうものは降格、本国召還の憂き目に遭うほどで、それ故、本国政府は大島の進言を鵜呑みにし、当時よく言われた「バスに乗り遅れるな」の掛け声とおり、独ソ戦ではドイツ絶対有利、勝利間違いなしを信じて日本も戦争に踏み切った。

武官出身の大島は、単に戦力だけを重視し、工業力や経済のことを全く無視し続けた結果が敗戦に繋がった。

日本国内でも総合的な観点からドイツの国力を計算して、ドイツ軍不利との計算もあったが、それらのモノは無視され、日独は初戦に華々しい戦禍を上げたが、後はじり貧で敗北あるのみ。

唯一の可能性は、大島が言うように精鋭の関東軍に北進させ、ジューコフ元帥率いるソ連軍と開戦したらどうだったか。

関東軍が不利な状況であっても一定の打撃を与え、スターリングラード攻防戦の応援に駆け付けることの出来ないよう、ソ連軍を釘付けにしておけば、或いはドイツ軍の勝利もあったかも知れない。

戦はやってみなければ分からないものだげ、日独にとって敗戦とは如何なるものか嫌というほど思い知らされた。

最後に、これほど貴重なものは全文書籍化して発売したらどうか、ならば是非買いたい。