愛に恋

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肉声 宮﨑勤 30年目の取調室 安永英樹

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その昔、NHK特集で『声』という番組を見たことがある。
あの「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の犯人小原保と最後の岡っ引きと言われた名刑事・平塚八兵衛が交える取り調べの様子を録音したもので、生々しい二人の会話が聞こえるが決して暴力を用いるようなことはなかった。
 
それと同じように「宮崎事件」でも録音されており、今回、書籍化にあたり、これは放っておけず早速購入して読了。
今まで宮崎が何人の女児を殺害したのか確かなことは知らなかったが、都合4人と知って言いようのない怒りというか、その異常性に愕然する。
 
殺害後性器を見ようと思って猥褻行為に及んだが怖くなって逃げたと証言しているが、こんなことをされたのでは親御さんはたまったものではない。
第一、女児の性器など見たところで一般成人男性が興奮するところからしておかしい。
宮崎の異常性は、翌日、やはり性器を見ておきたいという願望に駆られ、その様子を撮影すれば「宝物」になると思い、わざわざビデオは借りに行き撮影に及んだとある。
 
事件が事件だけに一人ひとり殺害方法を書きたくもないが、宮崎の部屋にあった5000本のアニメビデオといい、父親が自殺したと聞かされた時の反応といい、一体どうして宮崎のような男が出てくるのか。
本人も言っているように大人の女性から相手にされないといって、誰も彼もがこの手の犯罪に手を染めるわけでもない、理性のタガはどうして外れてしまうのか。
刑事は言っている。
 
「お前、捕まらなかったら、ずっと続けていただろう」
 
本当にそう思う。
大久保清にしても永山にしてもそうだ、被害に遭われた方は無念やるかたない。
宮崎の死刑が執行されたのは2008年6月17日、逮捕されてから19年という長い歳月で、本人は45歳になっていた。
いつだったか鳩山邦夫氏がテレビに出て、自分が法務大臣だった時に死刑執行の判を押したと言っていた。
 
然し、この手の犯罪は決して無くならないだろう。
未然に防ぐことは不可能でも、第二の犯行に及ぶ前に是が非でも検挙しなければならない。
犠牲者に合掌!
 
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