愛に恋

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ロシア革命史〈5〉 トロツキー

いかなる体制もそのすべての可能性を汲みつくさないかぎり、舞台を降りないというマルクスの命題に依拠し、メンシェビキは、資本主義がまだ決して終えていない後進ロシアでプロレタリアート独裁をめざす闘いの可能性というものを否定した。メンシェビキの考え方の誤りは、民族的な視覚からも明らかとなり、経済学上の抽象論の観点から見れば、ロシアの資本主義は、まだみずからの可能性を汲みつくしていないと主張でき、遂に1917年10月25日夜、第2回全ロシア・ソヴェト大会が開会される。あくまでも蜂起をソヴェト大会に合わせて行なうというトロツキーの卓抜した戦術もあり、26日未明に冬宮が占領され、ついに臨時政府が打倒される。ロシア革命はここに最大の山場「十月蜂起」を迎える。この革命はそれほどの流血もなく成功したようだ。それにしてもトロツキーという人は凄い。よくもまあ、これだけのものを書いたもので、読んだ私は未熟すぎた。