愛に恋

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ロシア革命史〈1〉トロツキー

ロシア革命なんていわれても知識などあまりない。

その昔、20代のころだったか『戦艦ポチョムキン』と『西部戦線異状なし』を観たがあまり覚えてないし、読書としては『ロマノフ家の最期』『大津事件』『ニコライ二世とアレキサンドラ皇后』『ラスプーチン暗殺秘録』と本棚にあるが、ロシア革命を起こした側の筆録となると殆ど読んだことがない。ただ、ボルシェビキが政権を獲る前にメンシェヴィキケレンスキーが実権を握っていたことは知っていた。本書はロシア革命の研究書として不滅の金字塔をなすもので、革命をになった当事者の綴った記録として価値があるのは勿論であるが、客観的な視点をくずさない鋭利な分析に支えられた詳細な記述は、歴史書として計り知れない価値を有する。綿密なテキストクリティークを行ない、ロシア語原典から訳出した決定版だからこそ、微にいり細を穿ってド素人の私には解りづらい。1917年に起こった2月革命からソヴィエト執行委員会が成立する同年3月あたりまで書かれているが、とにかく時間の流れが遅い。トロツキーに着いていけないのか、翻訳が合わないのか、私の頭が悪いのか、そもそも私みたいな盆暗がトロツキーを読むこと自体が間違っている。