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【AB通信:オドロイター発】 林彪事件

今回のプリゴジン暗殺事件、独裁者の最側近として権力闘争を行い墜落死で命を失ったという点で、多くの人が50年前の中国の林彪事件を思い浮かべた。林彪は、国共内戦における中国共産党の勝利に多大な貢献をした「戦略の天才」だった。文化大革命の時期には『毛主席語録』を10億冊発行するなど、毛沢東に対する個人崇拝運動を指揮し、軍隊を基盤に自身の権力を強化した。林彪毛沢東の公式の後継者として党の綱領に明記されるほど強大にみえた。だが、毛沢東は徐々に林彪が軍隊を基盤に自身の権力を脅かすという不安と疑いにさいなまれた。1971年9月、林彪が公式の場から消えた。10か月後、中国共産党は、林彪毛沢東暗殺などクーデターの陰謀を企てたが失敗し、息子や妻、共犯らと飛行機に乗ってソ連に逃亡しようとしたが、1971年9月13日に飛行機がモンゴルに墜落して搭乗者9人全員が死亡したと発表した。父親の計画を密告した娘の林暁霖だけが生き残った。毛沢東林彪を除去しようとして包囲網を狭めると、林彪と息子の林立果がクーデター計画を立てたと推定されているが、事件の真相は永遠に明らかにされないだろう。