通化事件とは、1946年2月3日に中国共産党に占領されたかつての満州国通化省通化市で中華民国政府(国府軍)の要請に呼応した日本人の蜂起と、その鎮圧後に行われた中国共産党軍(八路軍)および朝鮮人民義勇軍南満支隊(李紅光支隊、新八路軍)による日本人らに対する虐殺事件。
日本人約3000人が虐殺され、その多くが老若男女を問わない一般市民。
藤田大佐というのは、これら蜂起軍の指揮官だが、戦後の事件だけに、武装解除後に僅かの武器で立ち上がったが直ぐに鎮圧され、藤田大佐もその後、捉えられ死亡。
本書は著者によるルポルタージュのようなもので、書かれた当時はまだ昭和47年。
事件関係者の多くが存命で、事件の概要、または藤田大佐の最後など関係者に取材を申し込み、つぶさに書いているようだが、私としてはノンフィクション形式で書いて欲しかったので、少し理解不能な感じが否めなかった。