愛に恋

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レーナの日記 エレーナ・ムーヒナ

この日記はレニングラード包囲戦で市民250万もの人が飢餓と酷寒の中、必死に生き延びようとする記録で、その一人、僅か16歳の少女が書き残したものだ。

包囲された期間は872日、餓死者80万、爆撃、砲撃による死者20万、その封鎖下の市民生活の模様を詳細に伝える歴史資料になっている。

大祖国戦争でのソ連兵員の死者は1280万人、一般市民を含めると2000万人を超える凄まじい数になる。

一方のドイツは兵員が死者210万、行方不明者290万、一般市民の犠牲は50万で、更に捕虜になった兵士のうち100万ほどの者が死んだという説もある。

本書では配給制に並ぶ模様が日々書かれているが、そのひもじさといったらない。

主食はパンで、初期のころは肉など配られることは殆どなく、次第に困窮迫り祖母、母と亡くし、最後は一人で生きて行く苦悩が書かれ痛ましいが、彼女は結局生き延びた。