俗に寄る年波には勝てぬというが、私にとって、その勝てぬ行事が最低でも年に3回はある。
⒈ 大規模なライブ・コンサート!
先月、あるビック・アーティストのライブ観戦の為、東京ドームへ行って来たが、何と生まれてこの方経験したことのない最前列が当たってしまった!
それはもうビックリで会場には55,000人のファンが押し寄せているのに、まるで運を使い果たしたかのような最前列で後ろの人からは羨望の熱い眼差しさえ受ける。
しかし、逆にトイレがこれまた遠い。
おまけにライブは3時間近く、のっけから総立ち手拍子とあっては、もう疲れることを前提にここへ態々、遣って来たことは必定。
大体、どこからでも入場できるわけではなく、何番ゲートと決められた出入り口にまで行かねばならぬ。
「ええぃ、お放しあれ、行かねばならぬ、行かねばならぬのじゃ」
ってな訳で、もうそれだけでオジサンは疲れてしまうわけでして(笑
⒉ 京都の寺社仏閣巡り!
大体からして最寄りの駅から、かなり離れている。
次の信号を右に曲がって100メートル程行くとお土産屋さんがあるから、そこを左に折れたら、もう直ぐ門が見えますから、てな具合で、特に夏の暑い盛りなどは御寺に着く頃には半分溶けかかっている。
そこに持って来て寺内がこれまた広い!
私はひたすら磨きが上がった廊下に座り、汗を拭き拭き庭などを放心したように眺めているのである。
⒊ 出会いと感動の古書市!
これが大阪の四天王寺なんかでやられてみなさいよアナタ。
私も何度か行ったが、とてもじゃないが全部など見切らぬうちに猪木の卍固め宜しくダウン。
それに比べ、あそこの池に居る亀の暢気さはどうですか。
全く動かず、ただ甲羅干しに精を出し、一体、日がな一日、何を考えているのか?
特段、亀になりたいとは思わぬが、出会いの一冊を求めてオジサンは人込みを縫って、尚且つ脚を棒にしながら、一目惚れするような本を探しているのです。
その屋内の古書市、何が嫌いかって狭い通路で隣の人とX状に本を見る状態。
私は進行方向に向かって右の棚を見ている。
しかし、隣の人は逆に左の棚を見ている。
なら、場所を変わればいいではないかと思うのだが、なかなかそうは問屋が卸してくれない。
つまり、後ろには背中合わせに、これまた後ろの棚を見ている人が居るばっかりに通り抜けが難しい。
そうなって来ると私の苛々は募り急速に神経が疲れ出す。
更にである!
冬支度で行くはいいが会場は人いきれで結構熱い。
自然、服を脱ぎ、肩からはカバンを吊るし、設置してあるカゴを持って歩く。
こうなって来ると私の忍耐も限度を越し、破れかぶれの褌一丁にこそならないが、もう栄光への脱出を図り、そそくさと帰り支度。
分かったことは屋内の古書市は2時間が限界。
しかし、それなりの戦利品はしっかり戴いて。
年の瀬や 書棚見る背に 邪魔をされ 座布団三枚(笑
さてと、何を買ったのか!
相も変わらず似たような本もあるわけでして。
『一茶の日記』
小林一茶の日記を買ってしまった。
一茶と言えば遺産相続と精力絶倫ですね!
そのあたりを、当の本人の日記から読み解くわけでして。
ロートレックのことも少し知りたいし。
『ヒトラーが寵愛した銀幕の女王:寒い国から来た女優オリガ・チェーホワ』
ヒトラー関連は何冊も読んでいるが、このオリガ・チェーホワという人は知らない。
何でもチエーホフの遠縁だとか。
『母の恋文―谷川徹三・多喜子の手紙』
詩人、谷川俊太郎の両親の往復書簡だと思うが。
『西條八十』
またしても西條八十である。
何度読めば気が済むのか!
結局、中公文庫の丸々一冊の評伝が好きだと言うしかない。
『映画道中無我夢中―浦辺粂子の女優一代記』
最後は思わぬ一冊。
何と浦辺粂子の本があったのだ。
まったく予想もしなかった!
本人が書いていると思うが悲劇的な最期を遂げた浦辺さんの供養にもこれは是非読んでおくべき作品だろう。
以上、六冊。
しかし、残念なことも。
誰が買うのだろう。
今度、いつお目にかかれる分からないが、いつの日か読んでみたい。
しかし本ばかりは、ただ買えばいいと言うものでもない。
悩ましや!
ブログ村・参加しています。