獅子文六ブームはいつまで続くのだろうか。
かなり古いもので戦前の昭和13年10月から15年2月かけて雑誌『主婦之友』に発表した長編小説とあるが文六先生の本にしては短い方の部類になる。
ざっと、あらましを書くと。
新米教師の信子は郷里の大分から東京の大都女学校に赴任する。
学校を二分する校長と教頭の勢力争いや、一筋縄ではいかない寮の女生徒たちに、
持ち前の度胸と真っすぐさで向き合い、奮闘する信子を軽快に描いた、おんな版「坊ちゃん」。
学校を二分する校長と教頭の勢力争いや、一筋縄ではいかない寮の女生徒たちに、
持ち前の度胸と真っすぐさで向き合い、奮闘する信子を軽快に描いた、おんな版「坊ちゃん」。
文六は漱石を痛く敬愛していたようで『猫』などは10辺ぐらいよんだと言っている。
さて、感想だが、はっきり言ってこの作品は文学としては中の下。
学内での問題に巻き込まれた信子だが最終的に辞表を出し国元へ帰るつもりだったが大団円の結果、学内での教師間の問題や生徒との軋轢など総て解決して一件落着。
確かにお手軽小説としては読み易く面白いのだが、あまりにも良心的作品に過ぎる嫌いがあり、現代に於いてはこの手もストーリーは通用しないと思うが。
まあ、戦前戦後を通じて人気があった作家の復刻ブームとあって読んできたが、文六作品にはたまにこのような安直なものがあり、当時の文壇からはどのように思われていたのか興味がある。
そんな否定的なことを言っているが、残された2冊。
こうなったら乗り掛かった船ですね!
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