愛に恋

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レキシントンの幽霊 村上春樹

七つの短編集で、どれも一人称で語られるような話。中には思い出話しのようなオカルトチックなものもある。殆ど会話のない小説というのはあまり好きな方ではないし、古い作品で、まだまだノーベル文学賞には程遠いものだと思うばかりだった。中でもこれはまあまあ面白いと思ったというか、いや、哀しかったと言った方が適切かもしれないのは『七番目の男』だろうか。最近は古書店で、ある数人の作家の文庫を見つけたら必ず買うようにしている一人が村上春樹で、未だ長編は読んだことがないが、これは面白いといったものにぶつかったことがない。